排出権取引4

出典: Jinkawiki

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2013年8月6日 (火) 01:37の版
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2013年8月6日 (火) 01:38の版
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〔クリーン開発メカニズム〕先進国と途上国と共同してプロジェクトを実施し、そこで得られた温室効果ガスの削減量を先進国に移転するしくみ。 〔クリーン開発メカニズム〕先進国と途上国と共同してプロジェクトを実施し、そこで得られた温室効果ガスの削減量を先進国に移転するしくみ。
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〔排出量取引〕各国が排出量の削減目標を達成するため、先進国間で排出枠を売買するしくみ。 〔排出量取引〕各国が排出量の削減目標を達成するため、先進国間で排出枠を売買するしくみ。
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〔吸収源活動〕先進国で植林などの活動により、CO2を吸収するプロジェクト。 〔吸収源活動〕先進国で植林などの活動により、CO2を吸収するプロジェクト。
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== 世界に見る排出権取引の現状 == == 世界に見る排出権取引の現状 ==

2013年8月6日 (火) 01:38の版

排出権とは

地球温暖化の原因となる二酸化炭素(CO2)などを排出する権利のこと。


京都メカニズムの概要

1997年の地球温暖化防止会議で採択された京都議定書では、CO2をはじめとする六種類の温室効果ガスについて、2008~12年の間に、先進国全体で1990年比5.2パーセントの削減を定めており、議定書の発効には、 (1)55カ国以上の批准 (2)先進国(正確には付属書1国)のCO2排出量が90年時排出量総量の55パーセント以上を占めること という2点をクリアすることが必要とされている。(1)は、すでに条件を満たしており、(2)については、2003年3月25日の時点で、43.9パーセント。残り11.1パーセント分を、新たな批准国によって埋める必要がある。米国の批准はほぼ絶望的だが、ロシアが批准することで55パーセントをクリアする。2004年に、ロシア連邦が批准したことにより、2005年2月16日に発効された。

この京都議定書には、各国の削減目標値が決められていて、日本の場合、90年比で6パーセントの削減をしなければならない。しかし現実的には、批准国のすべてが、国内だけでこの数値を達成するのは非常に困難である。そこで、国内の削減対策を補完する「柔軟性措置」として、市場原理を活用した排出権取引の制度が、京都議定書に盛り込まれた。これが「京都メカニズム」と呼ばれるものである。

京都メカニズムには、主として、「共同実施」「クリーン開発メカニズム」「排出量取引」「吸収源活動」という4つのしくみがある。

〔共同実施〕先進国で共同して省エネプロジェクトなどを実施し、そこで得られた温室効果ガスの削減量を取引するしくみ。

〔クリーン開発メカニズム〕先進国と途上国と共同してプロジェクトを実施し、そこで得られた温室効果ガスの削減量を先進国に移転するしくみ。

〔排出量取引〕各国が排出量の削減目標を達成するため、先進国間で排出枠を売買するしくみ。

〔吸収源活動〕先進国で植林などの活動により、CO2を吸収するプロジェクト。

世界に見る排出権取引の現状

【EU】

京都議定書では、先進国各国に対して2008年から2012年までの期間で、温室効果ガスの削減目標を設定した。日本は6%、EUは8%の温室効果ガスを削減することとなり、各国ともに、それぞれ工夫を凝らして国内の排出削減対策を実施した。その時に、排出量取引の仕組みを国内に最初に適用させたのがEUの国々であった(EU域内排出量取引制度:EU-ETS)。 EU-ETSとは、施設ごとに総排出量の枠を設定する排出量取引制度(国内排出量取引)であり、発電所、石油精製、製鉄、セメントなどのエネルギー多消費施設10000以上を対象にしている。EU-ETSの導入は3つのフェーズに分けられており、現在は第2フェーズに入っている。 現在EUでは、排出量の取引価格が当初予定したよりも随分と低いことが議論の一つになっている。取引価格が高ければ、企業はトレードに頼らず自らCO2削減対策を講じようと努力するわけである。中には取引価格をあげるためにもっとキャップを厳しく設定すべきという意見もある。確かに、価格は排出量取引の現状を示す良いシグナルなので議論することは重要だが、制度の本質はやはりトレードではなくキャップにある。トレードに振り回されるのではなく、キャップをしっかり守りEU全体でCO2を何トン削減できるかが本質であり重要なのである。


【アメリカとオーストラリア】

アメリカでも、国内排出量取引の法案が提出されているが、なかなか議会を通らないというのが現状だ。一方で、州レベルでの排出量取引は、一部の州ではあるが、ある程度進みつつある。 中でも本格的に排出量取引の導入を検討している州として、カリフォルニア州が挙げられる。実際に排出量取引の実施スケジュールも決まっており、2012年からキャップが各企業に設定され、2020年までにCO2排出量を1990年比±0%まで削減する目標も立てられている。2012年からは、州の温室効果ガス排出量の約37%に相当する大規模施設群(排出量25,000トン-CO2/年以上の施設)を対象としており、2015年には対象を拡大し、燃料供給社なども対象に含める予定になっている(州の温室効果ガス排出量の約85%に相当)。カリフォルニア州の大手の電力会社は、共に州内の排出量取引について考える協力的な姿勢を示している(2012年3月現在)。


【中国】

EU、アメリカ、オーストラリアなど、排出量取引の取り組みが世界的に進んでいるが、注目すべきは中国の取り組みである。中国は京都議定書による温室効果ガスの削減義務を負っていないものの、独自の排出量抑制目標を掲げている。その目標を達成するために、市場メカニズム(注1)を活用することを検討している。中国では、排出量取引制度の段階的な構築を目指し、既に2省4市で排出量取引モデル事業が開始されている(2012年3月現在)。 中国のような規模的に大きな国で排出量取引が進むとなると、インフラ整備も急ピッチで進める必要が出てくる。特に排出量取引を正確に測るインフラは取引を行う際にお互いの信頼を築く上で重要になる。温室効果ガスの排出削減量を正確に測定し(Measurement)、その状況を報告し(Reporting)、検証する(Verification)ことで、各国の排出削減の状況の透明性と正確性を確保することができる(これら3つを総じて“MRV”と呼ぶ)。中国におけるMRVが進展していくことは、地球全体での温室効果ガスの削減を考える上で重要であり、中国への積極的な協力は今後も大変重要になるだろう。



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