マサイ族

出典: Jinkawiki

(版間での差分)

2013年8月6日 (火) 16:39の版

生活

 伝統的な生活を守って暮らしている民族である。本来は定住せず、牛・羊・ヤギ等の家畜の遊牧で生計を立てる遊牧民であった。しかし現在では都市に住み、サバンナ観光ガイドや密猟監視員などの定職を持って暮らしているマサイ族も多い。以下は伝統的マサイ族に関する記述である。  マサイ族伝統の住居は牛糞と泥をこねて作った掘っ立て小屋である。この掘っ立て小屋をサークル状に配置し、外側をさらに木の柵で囲うのが村の伝統的なスタイルである。この村全体を彼らはボマと呼ぶ。夜になると、彼らは放牧していた家畜をこのサークルの内側に入れてしまう。猛獣などの外敵から家畜を守るための知恵である。   牛はマサイ族にとって最も重要な動物であり、貨幣の代わりでもある。賠償・結納・相続なども牛の受け渡しによって行われる。男性において牛を持たないということは、それだけで恋愛対象にならないというほど、牛は重視される。 基本的に一夫多妻制である。財産を多く持つ(つまり牛を多く持つ)男は二人以上の妻をめとることができる。またマサイ族の文化では、成人男性は猛獣退治や牛の放牧以外の労働をせず、普通の仕事は全て女性や子供が行う。これは戦いのみが男性の仕事で、武器以外の道具を持ち運ぶことすら恥とする彼らの価値観による。外部の人間が仕事を与えても「自分たちの文化ではない」として受け入れないことが多い。  伝統的な主食は牛乳と牛の生血。近年ではウガリ・チャパティ・米飯などの炭水化物も日常食となっている。牛乳をギブユという瓢箪に入れて作った原始的なヨーグルトや、牛の血を抜いてそれを牛乳と混ぜ合わせた飲み物もある。また牛の血そのものも飲用する。客人が来たときのお祝い事などでは動物を殺して肉食をすることもあるが、家畜を潰してしまうことになるためごくまれである。牛肉は非常に固いものをよく噛んで食べ、日本人や西洋人のように熟成させた柔らかい肉は好まない。このほか後述とも関連するが、魚食は全くせず、野菜を食べることもごく少ない。  政治的にはそれぞれの村ごとに長老がいて物事を決定する原始的な長老制をとる。戦士階級であるモランはこの長老の下に属し、未だ修行中の身分とされる。マサイ族の男性は生涯に必ず一度はモランとなる。モランは槍で武装し、独自の槍術をよくする。このほか相撲に似た格闘技も存在し、彼らはこれらを駆使してライオン、豹をはじめとする猛獣とも渡り合う。かつては他部族からの略奪もモランの仕事であったが、現在では行われていないという。  マサイ族の伝統的な色は赤であり、衣服や化粧にはほとんど赤が使われる。本来靴は履かず裸足であったが、最近では自動車の古タイヤを切り抜いて鼻緒をつけた、自製のサンダルを履くようになった。


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