民族・人種問題

出典: Jinkawiki

(版間での差分)

2013年8月7日 (水) 15:44の版


人種が皮膚や毛髪の色とか鼻の形など、遺伝的なからだの特徴による分類であるのに対し、民族は言語や宗教などの文化や歴史の共有を基盤とした区分である。 民族意識(民族的アイデンティティ)の原点には、異なる言語集団に対する蔑視的ニュアンスを含む強烈な他者意識があると言われている。 そして、異民族の政治的圧力を感じた時、民族意識が高まる傾向がある。これがナショナリズムである。近代になると、一つの民族が一つの国家として独立することを理想とする民族国家の考え方がヨーロッパから持ち込まれ、国家の利益に基づく民族間の対立や、民族と国家の衝突が激しくなる傾向がある。


【現代の民族や人種をめぐる紛争】 ①欧米の植民地支配の後遺症としての紛争 ・パレスチナ紛争  ユダヤ人とアラブ人の、パレスチナ地域への居住権をめぐっての争い 


・南アフリカのアパルトヘイト政策 白人による少数支配体制を維持するための人種隔離政策である。白人と非白人の居住地を分離した。それに、居住や移動の自由さえも奪われていた。アパルトヘイトは1993年に法的には廃止されたが、黒人と白人の間の経済格差の是正などの課題が残されている。


②冷戦終結にともなって発生した紛争の例 ・旧ユーゴ紛争 多民族国家ユーゴスラビアの解体と紛争


・チェチェン紛争 ロシア連邦内のチェチェン自治共和国の独立をめぐる軍事対決


③人口移動にともなう民族問題 戦後の経済成長期に積極的に外国人労働者を受け入れてきた西ヨーロッパとくにドイツ、フランスでは、あらたな民族・人種問題に直面している。 そうした、外国人労働者は数世代をへて定着する傾向を示すが、その一方で経済の低成長化とともに経済、社会、文化などの国内の多方面での摩擦を引き起こすようになっている。 1990年代に入って、旧ソ連・東欧圏での政治変動は大量の移民、難民の発生の可能性を生み、西ヨーロッパ諸国にとって新たな人口流入の圧力となっている。


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