AHELO

出典: Jinkawiki

(版間での差分)

2015年7月29日 (水) 20:33の版

Assessment of Higher Education Learning Outcomes

概要

2009年にOEDCが実施した、高等教育における国際的な学習成果の調査である。*社会人基礎力や*学士力の中に見られる汎用的能力の育成を世界基準で評価するため、日本の高校教育参加した。 AHELOでは、「一般的技能」、分野別技能(工学及び経済学)」が学習成果の評価項目となっている。卒業直前の大学生を対象とし、大学教育を通じてどのような知識・技能・態度を習得したかを、世界共通のテストで測定する。OECDでは、大学教育が、学習者のキャリア形成に役立っているか、学習者が異なる国の高等教育機関に移った際に役立つか、学習者が職業に必要なスキルを持っているかを問い直すことを目的としている。 17カ国の参加をもとに、日本は工学分野に参加した。

参加国

一般的技能 -コロンビア、エジプト、フィンランド、韓国、クウェート、メキシコ、ノルウェー、アメリカ、スロバキア

分野別技能(経済学)-ベルギー、エジプト、イタリア、メキシコ、オランダ、ロシア、スロバキア

分野別能力(工学)-日本、オーストラリア、カナダ、コロンビア、エジプト、メキシコ、ロシア、スロバキア、アブダビ

AHELOにおいて、調査のデザイン構築や国際比較の難しさを等を留意し、各国との 協議を踏まえ、さらなる発展や実施に向けた検討を行う予定である。


  • [社会人基礎力]

社会人基礎力とは、「職場や地域社会で多様な人々と仕事をしていくために必要な基礎学力」であり、「人間性、基礎的な生活習慣」の土台と、その上にある「基礎学力」や「専門知識」を多くの人との関わりの中で活用し、成果を生み出すために必要とされる力である。 「前に踏み出す力(アクション)」「考え抜く力(シンキング)」「チームで働く力(チームワーク)」という3つの能力が社会人基礎力に含まれる。 科学技術の発展、情報化、グローバル化、変わりゆく社会や経済状況に適応できる人材の育成のための新しい能力が重視されている。不況を伴う中、企業にとって有効な人材の育成が高校教育に求められていることが分かる。

  • [学士力]

学士力とは、「自立した市民や職業人として必要な能力」を学士過程教育において育成するために求められた能力である。「分野横断的に、我が国の学士過程教育が共通して目指す学習成果に着目したもの」としている。 「知識・理解」「汎用的能力」「態度・志向性」「総合的な学習経験と創造的思考力」等の項目が含まれている。 雇用と直接的に関わるだけでなく、広い能力を規定した学士力から、多様な状況に対応できる能力が求められていいることが分かる。


論点

社会人能力や学士力等に多く含まれる、雇用に関連する領域以外に限らない高等教育における学習成果へ重点が置かれるようになっている。例えば、コミュニケーション能力、チームワーク、問題解決能力等である。これらを育成を目指すことにより、「教養」「教養教育」が希薄化しないか、そうある現状と問題点が考えられる。



参考文献

・<新しい能力>は教育を変えるかー学力・リテラシー・コンピテンシー 編著者 松下佳代(株式会社 ミネルウァ書房)

・文部科学省 http://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/shitu/1341802.htm

・国立教育政策研究所 http://www.nier.go.jp


(sarasa)


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