集団的自衛権6
出典: Jinkawiki
2015年8月5日 (水) 13:25の版
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集団的自衛権とは
外国からの武力攻撃が発生した場合,被攻撃国がもつ本来の自衛権 (個別的自衛権) と並んで,この国と密接な関係にある他国がその攻撃を自国の安全を危うくするものと認め,必要かつ相当の限度で反撃する権利のこと。
=集団的自衛権の問題点-
集団的自衛権の問題点としてはまず、憲法との整合性というものが挙げられる。 日本国憲法第9条は戦争放棄を規定している。しかし、他国から攻撃された場合反撃できるとする個別的自衛権については放棄していないというのが政府の解釈となる。集団的自衛権に関しては、権利はあるが行使しないというのが従来の政府解釈であり、今回それを行使できるという解釈に変えてしまったため、今までの政府解釈との整合性が取れないのではないかと言われている。 実際に憲法学者を交えた会議では違憲だとの意見も多くでているのである。 次に挙げられるのが、他国の戦争に巻き込まれる可能性というものだ。最近のニュースでもよく取り上げられているこの話題だが、街の人々の声の中には、「なぜ、自らが危険な目に合ってまで戦闘に参加する必要があるのか」ということや、「徴兵制になることはあるのか」というような声が頻繁に挙げられている。これらの意見は皆、戦争に加わることへの恐怖によるものであろう。わかりやすくいえば、米国と英国の戦争に日本も加わることができるということだ。 もちろん政府はいろいろな条件を付けて、集団的自衛権が安易に発動できないようにするようだが、解釈を180度変えてしまった政府に対して疑念を持つ人が多いのが現状である。 この他にも政府解釈次第で実質改憲できてしまうのではないかという危惧も問題点の一つとして挙げられる。
ではなぜ集団的自衛権が必要なのか
まず挙げられるのがアメリカとの関係強化であろう。特にアメリカとは安全保障条約を締結しているとはいえ、アメリカが困っているときに手助けしないのに、日本が困っているときにだけアメリカを当てにする訳にはいかない。 そして最も大きな理由としては国際情勢の変化によるものだ。超大国アメリカの威信低下、中国の発言力強化、イスラム原理主義勢力の台頭など、国際情勢は大きく変化している。現在中国との間では尖閣諸島の領有権を巡って関係悪化が続いており、平和主義だけでは解決できない問題となっている。それが集団的自衛権の行使容認を急ぐことになった。 本会議において強行採決された集団的自衛権であるが、今後の世界情勢によってはまた変わってくるのかもしれない。
参考資料:
集団的自衛権と安全保障 豊下楢彦・古関彰一 著 岩波新書 2014年7月18日発行 集団的自衛権とはなにか 豊下楢彦 著 岩波新書 2007年7月20日発行 いちばんよくわかる集団的自衛権 佐瀬昌盛 著 海竜社 2014年8月発行