3.11からの教育改革

出典: Jinkawiki

(版間での差分)

2019年1月18日 (金) 15:51の版

1 教育改革の重要点  教育改革において目的と並んで重要となる分類指標は、教育改革の日常性である。改革といえば、変化を生みだすものだが、非日常性が強いものもあれば、日常に埋め込まれた改革もある。非日常における教育改革とは、企画の前後で教育の場の状況が絶段するような場合である。

2 3.11以降の日本の教育改革  3.11以降の日本の教育改革の状況は以下のように分類できる。  第一に、非日常が継続している状態であり、被災地の学校や教育がこれにあたる。非日常的な状態が恒常化しているなかで、復旧・復興にむけてすすめられる日々の教育改革実践自体が、変化を生み出すモーメントを含む点で、現場レベルでの教育改革実践といえる。教育行政による施策や、教育現場で日常を「回復」しようとする日々の営為が「変化」を生み出す中心となっている点が特徴である。  第二に、非日常的な変化が日常化している状態である。教育政策によって繰り出される「教育改革」が連続化・慢性化し、絶えざる変化の中に浸されている状態であり、東京や大阪の教育改革がこれにあたる。この状況は、変化自体が次の変化を生み出すモーメントとして自己回転しているところに特徴がある。  第三に、緩やかな日常が教育行政機関にも教育現場にも進展している場合である。他自治体などで展開する自治体の動向に追随するかたちで改革がすすめられる場合がこれにあたる。改革を行ったり変化に対応したりする必要性がそれほど切実ではないため、主体的に変化を生み出そうとする積極的な動機付けがなされにくい。  重要なのは、それぞれの状況の中に「私たちの手による」教育改革の契機を探り当てることであり、それぞれの改革で子ども(やその他の教育関係者)はどう登場するのか、文脈に応じて考えることである。

参考文献 教育科学研究会 編 渡辺治 著(2013) 『3.11と教育改革』第三章 「戦後68年の社会構造と教育・地域の困難」竹内正治


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