ティーチングマシン
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2019年1月19日 (土) 03:30の版
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概念
ティーチングマシン teaching machine
プログラム学習の原理に基づいて学習活動を進行させる教授用機械。あらかじめ一定の順序に配列された内容を提示し,学習者に反応を求め,その反応に対して正答か誤答かをただちに表示し,それに応じた次の内容を提示する。 1920年代にアメリカの心理学者 S.プレッシーによって考案され,50年代以後,学習指導の個別化の主張とともに急速に注目されてきた。各学習者が自分のペースで学習できるという利点をもつ。近年コンピュータの普及により自動的に学習過程を制御しながら同時に多人数の学習者にそれぞれ個別的な内容提示を行うこともできる。 CAI (computer-aided instruction)装置も登場した。
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評価
1960年代初頭にアメリカ社会に急速にティーチング・マシンが普及したにもかからず、1960年代後半には一部の企業や軍の特殊なトレーニングで使われる以外は、学校などの教育機関ではほとんど使われなくなっていた。実のところ、1960年代前半でも、"鳩を教育するように、人間を教育できるのだろうか?"とか、"機械が教師に置き換わることができるのだろうか?"といった批判的な意見がすでに出ていた。このような、ティーティング・マシンの非人間的な側面が、教師からの批判を盛り上げ、また、優良な教材が不足していたことも普及の障害になっていた。
このような状況の中で、ティーティング・マシン推進派の人々は、当時急速に発展しつつあったコンピュータ上でティーティング・マシンを、CAI(Computer Assisted Instruction)として実現しようとした。そして、1960年代には既に重要な2つの初期のCAIシステムが開発されていった。それらは、スタンフォード大学の「IBM 1500 Instructional System」、イリノイ大学の「Programmed Logic for Automatic Teaching Operations(PLATO)」である。しかし、1960年代におけるCAIはまだ大型コンピュータ上のシステムであり、限られた一部の教育機関で利用されていたにすぎない。しかし、コンピュータは1970年代~80年代における価格性能比の向上により、パーソナル・コンピュータとして誰でも利用できるようになった結果、CAIが学校・家庭あるいは企業などで活用されるようになっていった。
参考文献 教育工学入門 B.ドット 講談社(1969)