無料アプリケーションゲーム
出典: Jinkawiki
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料ゲームアプリのダウンロード数は年々増加傾向にあり、特に人気の無料ゲームは社会的な現象を起こすまでになってきている。 | 料ゲームアプリのダウンロード数は年々増加傾向にあり、特に人気の無料ゲームは社会的な現象を起こすまでになってきている。 | ||
2019年1月19日 (土) 05:09の版
目次 |
概要
近年のiPhoneをはじめとして爆発的に普及したスマートフォンの魅力の一つといっても過言ではないものにアプリケーションソフトウェア、通称「アプリ」がある。その中でも無 料ゲームアプリのダウンロード数は年々増加傾向にあり、特に人気の無料ゲームは社会的な現象を起こすまでになってきている。
無料アプリケーションからお金を生み出す
無料アプリケーションは名前の通り無料であるが、運営側は維持費が掛かっているはずだ。ではどのようにして利益を生み出しているのかを挙げていく。
広告収入
まず1つ目に広告収入が挙げられる。アプリで遊んでいるときに上部や下部などに表示される広告の収入である。三者間市場という、製造者が消費者に無料でコンテンツを提供することで市場を形成し、広告主(第三者)があとからそこに参加するためにその費用を負担するというすべてのメディアの基本となるビジネスモデルがある。つまり、広告主は広告を消費者に届けるために、製造者に対してお金を払う。これがいわゆる広告収入とされる。消費者はその広告を見て、広告主の商品を買ったりすることによって広告主を支援し、そのときマーケティング費用は商品の代金に上乗せされたかたちで消費者が支払うことになる(市場の二面性)。こうして市場が成り立っているのだ。
アイテム課金
2つめが、アイテム課金である。アイテム課金とは、例えば、ゲーム上で遊ぶ回数が制限されていて、時間が経過するとまた遊べるようになるシステムがある。その時間を短縮するために課金をする。他にもゲームが有利に進むようにアイテムを購入するといったものだ。そういったことで、「サービスを無料で提供し、場合によっては広告収入で支え、口コミ、紹介ネットワーク、有機的な検索マーケティングなどで非常に効率的に多数の顧客を獲得し、そして、顧客基盤に対して付加価値サービスや強化版サービスを割増価格(有料)で提供する」のである。アイテム課金はウェブとの親和性が高く、デジタル製品においては、5%の有料ユーザーが残りの95%の無料ユーザーを支えるという構図になる。たった5%しか有料ユーザーがいなくてもやっていけるのは、一つ製品を作り上げてしまえばコピーができるデジタル製品では、残りの95% にサービスを提供するコストが、無視できるほどゼロに近いからである。
無料アプリケーションゲームの課題
無料アプリゲームの課金問題
ソーシャルゲームの頃から、過剰な課金演出が問題となってきた。ソーシャルゲームにおけるアイテム課金の仕組みの一つであったガチャのように ランダムに入手できるアイテムのうち、特定の複数アイテムをすべて揃える(コンプリートする)ことで稀少アイテムを入手できるシステム、コンプリートガチャ(コンプガチャ)が問題となったことは記憶に新しい。 特定のカードやアバターのようなゲーム内アイテムを手に入れようと思っても、ガチャの場合は欲しいアイテムを直接購入することはできない。欲しいアイテムがある場合は、くじを引くようにそれが当たるまで何度もガチャを行う権利を有料または無料で購入する事になる。特にコンプリートガチャの場合は、目的となる希少アイテムを手に入れるために、ガチャを通して出る複数の特定アイテムをすべて揃えなければならず、揃うまでに多数の重複するアイテムを購入することになる。それによりユーザーへ多額の課金が発生する事が多く問題となったのである。その問題が発生して以降、「無料でも長く楽しめるゲーム」を実現するために、「パズドラ」という無料アプリゲームでは、定期的にプレーヤーに課金アイテム対象となるもの(レアガチャを回すために必要なアイテム)を配布することによってプレーヤーに課金を強く意識させないことで固定ユーザーを獲得しようとした。しかもそれは単なる提言ではなく、実際に結果を出したものであったため、業界に与えたインパクトは非常に大きかったと思われ、このスタイルはパズドラヒット以降多くの無料アプリゲームに採用されている。
中間層の獲得
ゲームユーザーというのは、手軽に始められるゲームをするライトユーザーとやりこみ要素の高いゲームをするコアユーザーの二極化が目立っている。そこで課題になっているのは、その中間の位置に存在する、いわゆる「中間層」と呼ばれる人たちだ。この中間層の獲得は無料アプリゲームで獲得するのは容易ではない。なぜならば、スマホ向けゲームは、何より手軽で簡単なため、ライトユーザーが食いつきやすい。中間層になり得るのであろう層は、プレイ途中で「なんだ、こんなものか」とアプリゲームに気軽さ以上のものを感じることができず離れて行ってしまうからだ。そのようななかで、中間層の獲得に成功しているとされるのは「パズドラ」である。実はパズドラがでるまでは、ゲームの話題と言えば「ソーシャルゲーム」の話ばかりで、どこのメーカーもソーシャルに傾倒していた。「ゲームの内容より課金演出の方が大事」とセミナーなどで堂々と明言され、ゲームの面白さではなく「いかにユーザーに課金させるか」「どれだけ低コストで高い売上を記録できるか」のみが追求され、ガチャの内部確率の変更や解析ツール(KPIツール)を使ってレアの放出率を調整す ることが「テクニック」として講演会で当たり前のように紹介されるなど、マナーやモラルの低下が著しい状況となり、それがおかしいとさえ思わないような風潮となっていた。 ゲーム的な視点で見て、ドリランド型・ロワイヤル型のような簡易的なソーシャルゲームが破格の利益を上げ続けた結果、各メーカーの開発力はソーシャルゲームのみに向いていき、「グラフィックやサウンドはゲームに必要ない」「携帯アプリにゲーム性は不要」とインタビューでも繰り返し語られており、つまり「ゲームの否定」がゲーム業界に蔓延していた印象 があり、既存ゲームの衰退はユーザーの視点からも明らかであった。 しかしパズドラはソーシャルゲームのシステムとゲーム性の高い内容を両立させたものであり、前述したソーシャルゲームの作り方とは正反対のものと言え、そんな「ゲーム的なソーシャルゲーム」が爆発的なヒットとなり、多くの利益を上げ続けたことで、ゲーム性を否定したソーシャルゲームでなくても儲けを出せるという実例を作った。これによりゲーム性の少ないソーシャルゲームに急速に傾いていった流れは、かなり押し止められた。こうして成功したこのゲームは、本来両立が困難なソーシャルゲームと普通のゲームの中間に位置するものであり、内容としては完全に「ゲーム」だが、「ソーシャルゲーム並みに」万人がプレイできるシステムとなっている。それは奇跡的なバランスであるが、今後スマートフォン向けにこうしたバランスのゲームが多く出てくるようになれば、ゲーム業界の長年の課題である中間層の取り込みは可能になってくるかもしれない。
参考文献
http://www.appbank.net/2013/07/14/iphone-news/635505.php (APPBANK「無料」なのには理由がある? アプリ・ウェブサービスの収入源とは。)
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