シク教

出典: Jinkawiki

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目次

概要

北インドのヒンドゥーとムスリムの聖人たちの神秘体験から発した宗教。16世紀にグル・ナーナクがインドで開いた。シク教の“シク”とは、サンスクリット語の「シシュヤ」に由来し、弟子を意味する。総本山は、インドのパンジャーブ州アムリトサルのハリマンディル(黄金寺院、ゴールデン・テンプル)である。教典は、『グル・グラント・サービフ』という1430ページの書物である。約3000万人の信仰者がおり、その数は世界第5位である。

宗派

 主な宗派として以下の4つが挙げられる。
・ナームダーリー…19世紀に誕生した宗派。頭にターバンを巻く特徴的なスタイルを導入。神の名を繰り返し唱えること以外宗教儀式を行わず、他宗派の人間とは結婚しない。
・ニランカーリー…19世紀に起きた宗教改革運動に起源する宗派。瞑想の重要性を説き、シク教の教典に基づいた誕生や結婚や死にまつわる儀式の標準化に大きな貢献をした。
・アカンド・キールタニ・ジャタ…20世紀のはじめにあらわれた。ケスキという小さなターバンをかぶる。キールタン(賛美歌のようなもの)に重きを置く。
・3HO…1971年にアメリカで設立。信者の多くは白人のアメリカ人で、女性にもターバンの着用を義務づけている。瞑想とヨーガ(クンダリニー・ヨーガ)を重視。

特徴

聖典『グル・グラント・サービフ』には、宗教間の対立に関する言及がない。当時のムガール帝国による支配下のもとでムスリムとヒンドゥー教徒は政治的な敵対関係にあったので、このことは極めて異例であった。 シク教には、開祖のグル・ナーナクを合わせ10人のグルがいる。(グルとは聖者または導師の意)彼らは皆、外面的な儀礼より宗教の奥底にひそむ真実を重視した。初代のグル・ナーナクは、メッカでムスリムとヒンドゥー双方の宗教指導者と相対し、彼らがみずからの宗教の正しさを主張する一方で、表面的な信心深さと裏腹に内面は貧しいことを理解した。 第5代のグル・アルジュンは、ムガール皇帝により殉教したが、みずからの信仰と神への愛を守り通しムスリムへの恨みを抱かなかったと言われている。 第9代のグル・テーグ・バハードゥルは、ヒンドゥー教徒のために信仰の自由を守ろうとして殉教した。 第10代のグル・ゴービント・シングは、宗教的抑制に抗うためまた弱者や抑圧を受けた者すべてを助けるために、信者に訓練を施した。 ちなみに、第10代の後は、彼の4人の息子がムガール帝国との戦争で戦死したため、遺言により教典がグルであるとされた。 20世紀に入り、シク教は政治化された。また、シク教の教典『グル・グランド・サービフ』は英語に翻訳されたが、一般的にシク教徒以外にはあまり知られていない。

参考文献

21世紀の宗教(2005) 蓮池隆広訳 春秋社

H.N くまぺでぃあ


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