日本語2
出典: Jinkawiki
2019年1月19日 (土) 16:00の版
1 日本語とは
おもに日本人により日本列島を中心に話される言語。本土方言と琉球方言(琉球語)に大別される。話者数は1億2500万人。音韻では、ほとんどの音節が母音で終わり(開音節)、アクセントは音の高低による、文法的には、助詞や助動詞を駆使した膠着語である、敬語法が発達している、語順では述語が文末にくる、構文上主語は不可欠ではない、などの特徴がある。語彙(ごい)は、和語と漢語(中国語からの借用)と外来語(おもにヨーロッパ語からの借用)からなるが、日常の基礎的な語彙の大半は和語である。表記には漢字の表音的用法から発達した平仮名(ひらがな)、片仮名(かたかな)(表音文字)と、漢字(表意文字)とを併用する。1つの漢字に2種類の読み方(中国語音にもとづく「音」と漢字の意味を日本語に翻訳した「訓」)をあて、それを使い分けているのも、日本語独特の方法である。
2日本語の特徴 1.文法が簡単であること 名詞では英語以外の西洋語に多い性別(男性名詞・女性名詞)がなく、また、英仏語にある冠詞(定冠詞・不定冠詞)がない。そして、日本語の動詞は主語によって変化しないことが一番大きな点である。 2.発音が簡単であること 英仏語ではとても多く、フランス語では36、英語さらに多く45あるにもかかわらず、日本語の音素はせいぜい22しかないためである。 3.基本文が3つであること 英語の基本文は、基本第五文型(S-V・S-V-C・S-V-O・S-V-O-O・S-V-O-C)と呼ばれる55つである。しかし、日本語は、動詞文・形容詞文・名詞文の3つである。日本語では主語も目的語も「言いたい時だけ言えばいい」ものだが、英語の方はそれらを「必ず言わなくてはいけない」ため、種類が少ないのだと考えられる。 4.日本語に主語がいらないこと 前の項目にも関連しているが、「西洋語の動詞は主語によって活用するが、日本語の動詞は活用しない」ため、主語の「わたし・あなた」を言わないほうが自然でいい文になる。そのため、主語はいらないということが特徴である。 5.動詞文は動詞で終わること 日本語の動詞文は、いろいろな要素を含んでいる風呂敷のような述語だけだが、話者がある要素をわざわざ文の中に出して言う必要を感じた場合、それらは補語となって、述語の前に置かれるため、盆栽のような形になる。その場合には、述語の風呂敷は盆栽の根が入った鉢のようになる。基本文の一つである動詞文を例にとれば、一番重要な単語であるのは動詞で、これが最後にきて文が終わるためである。 6.形容詞はそれだけで文になること 日本語は、「かわいい」という言葉を「かわいくない」「かわいかった」「かわいくなかった」などと変化させることが可能である。しかし、英語の方はbe動詞の助けが必要で、そのbe動詞をさらに変換させなくてはならない。そしてbe動詞を主語によって変えるため、主語が不可欠である。言い換えると、英語には形容詞文はなく、動詞文の一種である。そのため、日本語は形容詞だけで文になることが特徴であるといえる。 7.「は」が示す「主題」は相手と共感するものであること 日本語の「は」は、格助詞ではなく、文法関係とは無関係である。その役割は、基本文の外側で主題をあげて聞き手の注意を引くことである。日本語の「は」には、文を超え、「共視」へと聞き手を誘うものであるためだ。 8.日本語は人間より自然に注目すること 本来、日本語のような自然中心があたりまえであったが、大いなる自然を前に、西洋の人々が「いったい誰がこんなに素晴らしい自然を作ったのか」と考え、それが神だという発想に陥ったために、西洋語が少しずつ言語を人間中心に変えていった。こうして、自然中心な言語であることが特徴とみなされている。 9.日本語は「て・に・を・は」に支えられていること 格助詞と係助詞に代表されるこれらは、語順で文法関係が表される英仏語と違って、日本語では格助詞が文法関係を示す役割を果たしているため、特徴の一つといえる。 10.外来語を柔軟に受け入れる 前に述べた、助詞「て・に・を・は」がしっかりしているおかげで、外国の言葉をそのまま吸収できてしまうため
このように、日本語は難しい言語だと思われているが、多言語と比べても、それほど難しくはないといえる。
参考文献 金谷武洋(2014)『日本語が世界を平和にするこれだけの理由』株式会社飛鳥新社 https://kotobank.jp/word/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E8%AA%9E-110148