チャイナタウン2

出典: Jinkawiki

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チャイナタウン

 チャイナタウンは、海外の都市における華人の集中居住地区であり、さまざまなエスニック集団(民族集団)によって形成された街。エスニックタウンの1つである。中華料理店をはじめ中国衣装、服飾品、医薬品など中国原産物の加工品商が集まり、中国寺院や祖廟の祭祀その他中国風行事が厳格に行われるなど、その生業や社会生活に中国の伝統がよくみられるのが特色。中国料理店の顧客には、チャイナタウンとその周辺に居住する華人のほかに、華人以外の現地の人びと、観光客なども含まれる。中国人の外国への進出は海港を拠点に河流沿岸などを通じて内陸地方へ浸透していったので、港湾都市をはじめ商業地に多くみられる。  世界の華人の8割以上が集中する東南アジアのチャイナタウンでは、棟割り長屋形式の店舗兼住宅が一般的な建築様式となっており、非常に特徴的な家屋景観がみられる。このような家屋形態は、ショップハウスと呼ばれる。ショップハウスは、レンガ造りの2、3階建てが多く、1階が店舗、2階以上が居住部分になっている。長屋形式であるため、1軒の店舗の平面形態は、間口が比較的狭く、これに対し奥行きが深い短冊型になっている。食堂の場合、店舗の奥の方は調理場や便所になっており、裏口が設けられていることが多い。中国人は海外へ進出して拠点づくりをすると、まず本国から血縁者を呼び、ついで同郷者、また同業者を招致していったので、チャイナタウンには同郷者の集会用の同郷会館がみられるのが特色で、冠婚葬祭や伝統行事もまた多くここで行われる。


華僑・華人

  僑は仮住まいの意で、居住国で中国籍を保持しているものを華僑、国籍を取得したものを華人と呼ぶことが多い。現在は華僑1に対して華人9の割合といわれる。全世界に居住する中国人・中国系住民は2700万人、そのうち2300万人が東南アジアに居住すると推定されている。東南アジア各地への中国人の移住はイギリスによる植民地への労働力導入政策やアヘン戦争(1840~42年)以降の中国南部の困窮化によって急増した。彼らのなかで流通・金融を中心に経済的に成功したものが、華人企業として各国で大きな経済力を握るようになった。


日本のチャイナタウン

  横浜中華街 神奈川県横浜市中区山下町一帯に広がる商業地域。古くは「唐人町」「南京町」などと呼ばれていた。1859年の横浜開港後、欧米人の使用人や香港からの商人の中国人の来日が増えたことが起源。1923年の関東大震災後、多くの欧米人が母国に去ったことから中国系住民の比率があがり、以後震災復興とともに多くの中華料理店が立ち並ぶ商業地として発展した。  

 神戸南京町 兵庫県神戸市中央区元町通と栄町通にまたがる一帯。1868年の神戸開港後、1871年に日清修好条規が成立するまで、華人は無条約国民であったため、条約国民である欧米の外国人に雇用されて来港する華人が多かった。開港から1899年の条約改正に至るまでの時期のおいて、神戸の華人社会は有力な貿易商を中心に展開され、彼らの多くは現在の南京町およびその周辺に集中して居住した。1977年に設立された南京町商店街振興組合と、神戸市の区画整理事業との共同作業に基づく再開発事業によって観光地化された。

 長崎新地中華街 長崎県長崎市新地町の中華街。長崎は鎖国時代における日本唯一の貿易港であり、華人の貿易活動も長崎に限定されていた。彼らは唐人屋敷に集住させられ、そこでのみ、貿易活動が許されていた。現在の新地中華街は、1702年に海を埋め立てて建設された島が起源となっており、この人工島には、長崎に入港する中国の貿易船の貨物を収納する土蔵が設けられ、新地蔵所と呼ばれた。長崎の開港後、中国人は唐人屋敷を出て、しだいに新地蔵所に集中して居住するようになり、ここが華人の居留地となり、今日の新地中華街へと発展していった。


参考文献

山下清海(2000)チャイナタウン 世界に広がる華人ネットワーク 丸善ブックス

"チャイナタウン", 日本大百科全書(ニッポニカ), JapanKnowledge, https://japanknowledge.com , (参照 2020-01-30)

"華僑/華人(東南アジア)[東南アジア]", 情報・知識 imidas 2018, JapanKnowledge, https://japanknowledge.com , (参照 2020-01-30)

"横濱中華街", デジタル大辞泉プラス, JapanKnowledge, https://japanknowledge.com , (参照 2020-01-30)


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