リビングウイル

出典: Jinkawiki

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リビングウイルの定義

 リビングウイルは英語のliving willをカタカナ表記したもので、livingは「生きている間に」を意味し、willは「遺言」を意味する。
リビングウイルとは、生きているうちに自分自身で書いておく遺言書のような書面のこと。自らが傷病により「不治かつ末期」になった時、自らの意思で延命治療をやめてもらい、人間としての尊厳を保ちながら死を迎える「尊厳死」に対する意思表示である。

尊厳死法制化への動き

 日本尊厳死協会は「健やかに生きる権利、安らかに死ぬ権利を自分自身で守るために」としてリビングウイルに署名し入会する者を募っており、会員数は10万人を超えたと宣言している。現在、同協会員が自らの延命治療を中止してもらいたい場合に、登録されたリビングウイルを受け入れる医師が増えてきている。

リビングウイルの要旨

 日本尊厳死協会では「尊厳死の宣言書」として、下記のように尊厳死を宣言している。
① 私の傷病が、現代の医学では不治の状態であり、既に死期が迫っていると判断された場合には、徒に死期を引き延ばすための延命措置は一切おことわりいたします。
② 但しこの場合、私の苦痛を和らげる処置は最大限に実施して下さい。そのため、たとえば麻薬などの副作用で死ぬ時期が早まったとしても、一向にかまいません。
③ 私が数ヶ月以上に渉って、いわゆる植物状態に陥った時は、一切の生命維持装置を取りやめて下さい。  (日本尊厳死協会ホームページより)

カリフォルニア州自然死法

 リビングウイルは元々、アメリカの消費者運動のR・ネーダーが発明したといわれている。
 1976年、ニュージャージー州最高裁判所において、世界で初めて持続的植物状態の患者カレン・アンクインランから生命維持装置を外すことを認めた。この判決を受けて、カリフォルニアにて同様の処置を容認することに関する法制化運動が起こり、同年に「カリフォルニア州自然死法」が制定された。この法律では「末期状態になった時に、生命維持装置を中止するか取り外すようにと、一八歳以上の者が知的精神的判断能力がある間に、医師に対して文書をもって指示する書面を作成しておく権利をカリフォルニア州民に認める」と定めており、リビングウイルが世界で初めて法的に確立されたものである。


日本の現状

 日本でもリビングウイルに関する動きがあるものの、まだ実際に法制化には至っていない。現状の法案の問題点、施行された時のリスクへの指摘や、難病患者への差別、非難につながるのではという懸念などから反対意見が強く、議論されているためである。


(参考資料)
星野一正 カリフォルニア州持続的委任権法一九八三年
 (http://cellbank.nibio.go.jp/information/ethics/refhoshino/hoshino0060.htm)
日本尊厳死協会ホームページ
 (http://www.songenshi-kyokai.com/)
認知症を中心に最新の情報を分かりやすくお伝えすることを目的に運営されているサイト
 (http://www.inetmie.or.jp/~kasamie/index.html)
ウィキペディア リビングウイル
 (http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%83%93%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%83%BB%E3%82%A6%E3%82%A3%E3%83%AB)
(社)日本消費生活アドバイザー・コンサルタント協会ホームページ
 (http://www.nacs.or.jp/index.html)
日本公証人連合会ホームページ
 (http://www.koshonin.gr.jp/main_index.html)
はてなダイアリー 尊厳死
 (http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C2%BA%B8%B7%BB%E0)
安心を形にする会ホームページ
 (http://www.anshin-kai.com/songen.htm)


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