ファシズム
出典: Jinkawiki
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2008年10月16日 (木) 15:41の版
1926年にイタリアで確立された一党独裁体制。 その完成はファシスタ大評議会が国家最高決議機関となった1928年である。 特色として反社会主義、反民主主義および国家(民族)の至上権を主張。
第一次世界大戦においてイタリアは戦勝国であったが、フィウメ(現・リエーカ)の領有が認められず、ヴェルサイユ条約に不満を抱いた。
戦後、変革を求める労働者や農民の運動が高揚し、1920年北部の都市でストライキや工場占拠が広がった。こうしたなか、1921年ムッソリーニが国粋主義をかかげファシスタ党を組織。そして、農民運動や労働運動を暴力で破壊し、支配層や中間層の支持を得て急速に勢力をのばした。
ファシスタ党が1922年に「ローマ進軍」の大示威行進を行うと、政府は戒厳令でこれを抑えようとした。しかし国王がそれを許さず、強力な政府の出現を期待して、逆にムッソリーニに組閣を命じた。 政権を握ったムッソリーニは、ファシスタ党に有利な選挙法を採用し、1926年一党独裁体制が確立された。
その一方でファシズム政権は、余暇を楽しむ組織などを作って大衆の同意をとりつけ、対外的には1924年にユーゴスラヴィアからフィウメを奪い、27年にはアルバニアを保護国化した。さらに教皇庁とは1929年にラテラン条約を結んで、ヴァチカン市国の独立を承認し1870年の教皇領併合以来の不和を解消した。
同時期ドイツではヒトラー率いるナチス(国家社会主義ドイツ労働党)による全体主義・民族主義的な思想をもつナチズムがあらわれた。