環境教育

出典: Jinkawiki

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環境教育とは、環境や環境問題に対する興味・関心を高め、必要な知識・技術・態度を獲得させるために行われる教育活動のことである。特に、環境の保全についての理解を深めるために行われ学習とされている。人間の全体に関わる問題として、学校以外でも様々な活動が行われている。


≪日本の環境教育の歴史≫

・1950年代に水俣病やイタイイタイ病に代表される公害が大きな問題となった。学校教育にも環境と健康の関わりについて盛り込まれるようになった。70年には社会科に公害学習が指導要領に明記され、翌年には環境庁が発足した。国連人間環境会議が開催されるなど、国際的にも環境問題が課題となり、日本の指導要領も理科や社会科では「環境」という言葉を取り上げ、公害教育から環境教育へシフトした。

・1990年代になると、文部省が環境教育をさらに推進させるための施策を打ち出した。小中高のそれぞれに「環境教育指導資料」や事例集を作成した。また、95年には小学校低学年に生活科が導入され、自然体験を進める時間として、教育現場でさまざまな取り組み事例が研究された。

・1998年には「生きる力」や「社会の変化に主体的に対応できる資質や能力」を育成することを新しい教育目標に掲げた。子どもたちが自ら考え、行動するための教育に重点を置くことを目指し、「総合的な学習の時間」が新たに取り入れられた。この時間を用いて、環境教育を行うことで科目横断的、および異なる学年が共同でひとつのテーマに取り組むといった学年縦断型の環境教育を進めている。


≪日本の環境教育の具体例≫

・自然環境と生き物の関係に興味や関心を高めていくことをねらいとして、森林公園やブナ林を訪れる機会を増やしている。特別講師を招き、自然の植物や生き物について学んだり、学校の周りや地域にビオトープ(自然生態系の観察モデル)があるか探したり、人工的に作ったりして、観察をしている。

・グリーンマークを1,000枚集めると苗木が1本もらえることを調べて、実際に校内に呼びかけて集める運動をしている。


≪課題≫

・総合的な学習の時間で扱われているが、他の主要科目と比べて軽視されるケースもある。

・学校や地域によって、環境教育のレベル差が生じる。

⇒環境教育の目標設定や基本的な考え方などについて、共通の理解を持ち、これに基づいて地域レベルで特色のある取り組みを行うことが必要とされている。


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