イタリアの教育
出典: Jinkawiki
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イタリアの教育制度は1923年につくられた(小5)・(中)3・(高)5制を基本としており、他のヨーロッパ諸国に比べて1年長い。1996年にこの就学期間の短縮を図ったが政権が交代した為、実現はしなかった。
[1]教育制度の概要と各教育段階の特徴就学前教育
・就学前教育は3歳から5歳までの子どもを対象に、国立、地方公共団体立及び私立の保育学校で行われる。就学は任意であるが、3歳児から5歳児までの平均在籍率は91.4%(1991年)に上る。
[2]初等教育
・教育課程については、国が基準を定めている。前期課程は教科目の枠にとらわれない学習が行われるが、後期課程では、イタリア語、数学、理科、歴史・地理、社会科、宗教教育(家庭の同意のもと)、表現・芸術、音楽、保健体育の各教科が必須とされている。外国語は今までフランス語が中心であったが最近は英語が中心となっている。なお外国語は3学年から行われる。
・授業時間は、かって半日の授業で週24時間であったが、今は1・2年は週28時間、3年以上は週31時間~最大34時間となっている。
[3]前期中等教育
・各学年とも月~土までの週6日、半日の授業(1日5時間)が行われるのが一般的であるが、週5自の学校もあり、この場合は昼食を挟んで午後も授業が行われる。また、多くの保護者の賛同があれば、各学校は1日1時間から2時間を課外活動や補習授業として増やすことも出来る。
・中学校では、イタリア語、歴史・地理、数学、英語、科学、芸術、音楽、技術、保鹿体育の各教科が必須。宗教教育は家庭の同意のもとに行う。
・評価は、1977年に従来の点数による方式から生徒の学習態度や教育内容の習熟度などの観察記録に基づくものに改正され、現在に至っている。 前期中等教育終了時に、イタリア語、外国語、数学の3教科については筆記試験と口述試験が、その他の教科(宗教を除く)については口述試験が修了試験として実施される。修了試験は5段階で評価され、上位4段階が合格となる。合格者は、後期中等教育入学の基礎要件となる。下級中等学校修了証を授与される。
・各教育段階を終えるときに修了試験がある。中学修了試験の不合格者は7~8%。 高校の修了試験は全国共通の統一テストが一ケ月にわたって行われる。教育省から2問、もう1問は校内の委員会で作成し、口頭試験が行われる。
[4]学年区分
6歳~11歳…初等学校(5年間) と11歳~14歳…前期中等学校(3年間) は義務教育であり、14歳~19歳…後期中等教育(5年間)と続く。
[5]イタリアの教育制度等の特色
・1974年の法律で各学校が実験的なカリキュラムを作れるようになったので、複雑化している。
・中学校以上には、保護者、生徒、教師、事務職員等で構成される学校評議会が設置され、学校運営に参画する(カリキュラム・予算案の検討等)
・授業日数は200日以上。「200日」という下限は国で決めている。
・「学級担任」は存在しない。学級の生徒の評価は学級を指導する教科担任みんなで行う。
・ボランティア活動は学校では取り組まない。それは家庭の役割になっている。
・障害児も普通学級(28名)の中に入って学習する。障害児がいる学級の児童生徒数(20名)は少なく、その子を個別に指導する教師が加配される。
・教職員の採用は国が行う。勤務年数は、40年勤務するか、65歳に達すると退職。異動は本人の希望を尊重。
[6]イタリア教育の課題
・義務教育終了後の専門課程で専門を与えるのみでなく、時代の変化に対応できる基礎教育を行う必要がある。
・実験的な取り組みが進んできている中なので、さらに中学校の改革が必要である。 などが教育の課題として挙げられている。