三権分立

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2008年11月20日 (木) 12:24の版
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-権力分立+== 権力分立 ==
 +古くは国王が統治していた時代のヨーロッパにおいて、国王はすべての権力を持ち合わせていたため、権力の濫用によって市民の権利が侵害されることがあった。そこで、互いに抑制と均衡のもとにある統治機構の必要性が説かれ始めた。国家権力を分けてそれぞれ別の機関にゆだねることによって権力濫用を防止し、国民の権利・自由を確保しようとする権力分立の理論は、イギリスのジョン・ロック(著書『市民政府二論』)やフランスのモンテスキュー(著書『法の精神』)の思想に由来する。
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 +この権力分立は、人権保障をはかるために重要な原理である。すべての権限が、一つの機関に独占的に帰属していたのでは、人権保障をはかることなどできないのである。
-古くは国王が統治していた時代のヨーロッパにおいて、国王はすべての権力を持ち合わせていたため、権力の濫用によって市民の権利が侵害されることがあった。そこで、互いに抑制と均衡のもとにある統治機構の必要性が説かれ始めた。国家権力を分けてそれぞれ別の機関にゆだねることによって、国民の自由を確保しようとする権力分立の理論は、イギリスのジョン・ロック(著書『市民政府二論』)やフランスのモンテスキュー(著書『法の精神』)の思想に由来する。+== 権力分立の形態 ==
 +権力分立のあり方は、各国の事情によってさまざまである。
 +・イギリス型議院内閣制:立法権と行政権との関係で、議会優位の議院内閣制をとる。
-権力分立の特性+・アメリカ型大統領制:それぞれの権力を厳格に分立させ、三権対等の形をとる。
 +日本の権力分立は、裁判所に違憲立法審査権が与えられている点ではアメリカ型、国会と内閣との協同関係を重視する議院内閣制を採用している点ではイギリス型である。
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 +== 権力分立の特性 ==
・自由主義的:権力の集中により権力が濫用され、国民の自由が侵されないように国家権力から国民の自由を守る。 ・自由主義的:権力の集中により権力が濫用され、国民の自由が侵されないように国家権力から国民の自由を守る。
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・中立的:どのような政治体制のもとでも当てはまる原理。 ・中立的:どのような政治体制のもとでも当てはまる原理。
- +== 日本の三権分立 ==
-日本の三権分立+
- +
日本でも、明治憲法(大日本帝国憲法)で、立法権を帝国議会に、行政権を国務大臣に、司法権を裁判所に、という権力分立制(通常、国家権力は立法、行政、司法の三権に分けられるため、三権分立とも呼ばれる。)が取り入れられた。これは、現在の日本国憲法でも取り入れられている。日本国憲法では、第41条で国会を唯一の立法機関と定め、第65条で行政権は内閣に、第76条で司法権は裁判所に属すると定めて、三権分立をとっている。 日本でも、明治憲法(大日本帝国憲法)で、立法権を帝国議会に、行政権を国務大臣に、司法権を裁判所に、という権力分立制(通常、国家権力は立法、行政、司法の三権に分けられるため、三権分立とも呼ばれる。)が取り入れられた。これは、現在の日本国憲法でも取り入れられている。日本国憲法では、第41条で国会を唯一の立法機関と定め、第65条で行政権は内閣に、第76条で司法権は裁判所に属すると定めて、三権分立をとっている。
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三権分立とは、「三権が互いに抑制し合い、均衡を保っている(つりあっている)状態」をいう。三権分立の目的は、三権が相互に抑制し合うことによって、「権力の濫用を防ぎ、国民の権利や自由を守る」ためである。また、それぞれの機関の独立性を保つため、他の機関の行為を尊重し、不当な介入は避けるべきだとされている。 三権分立とは、「三権が互いに抑制し合い、均衡を保っている(つりあっている)状態」をいう。三権分立の目的は、三権が相互に抑制し合うことによって、「権力の濫用を防ぎ、国民の権利や自由を守る」ためである。また、それぞれの機関の独立性を保つため、他の機関の行為を尊重し、不当な介入は避けるべきだとされている。
- +== 三権 ==
-三権+
- +
・立法権:法律をつくる権限。 ・立法権:法律をつくる権限。
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・司法権:法律に基づいて裁判を行う権限。 ・司法権:法律に基づいて裁判を行う権限。
 +== 参考 ==
 +後藤光男 著 「図解雑学 憲法」 ナツメ社
-<参考>+伊藤真 監修 高野泰衡 著 「入門の法律 図解でわかる憲法」 日本実業出版社
- +
-後藤光男 著 「図解雑学 憲法」 ナツメ社+
http://gakusyu.shizuoka-c.ed.jp/shakai/seiji/06_2_sanken_mokuteki.htm http://gakusyu.shizuoka-c.ed.jp/shakai/seiji/06_2_sanken_mokuteki.htm

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目次

権力分立

古くは国王が統治していた時代のヨーロッパにおいて、国王はすべての権力を持ち合わせていたため、権力の濫用によって市民の権利が侵害されることがあった。そこで、互いに抑制と均衡のもとにある統治機構の必要性が説かれ始めた。国家権力を分けてそれぞれ別の機関にゆだねることによって権力濫用を防止し、国民の権利・自由を確保しようとする権力分立の理論は、イギリスのジョン・ロック(著書『市民政府二論』)やフランスのモンテスキュー(著書『法の精神』)の思想に由来する。

この権力分立は、人権保障をはかるために重要な原理である。すべての権限が、一つの機関に独占的に帰属していたのでは、人権保障をはかることなどできないのである。

権力分立の形態

権力分立のあり方は、各国の事情によってさまざまである。

・イギリス型議院内閣制:立法権と行政権との関係で、議会優位の議院内閣制をとる。

・アメリカ型大統領制:それぞれの権力を厳格に分立させ、三権対等の形をとる。

日本の権力分立は、裁判所に違憲立法審査権が与えられている点ではアメリカ型、国会と内閣との協同関係を重視する議院内閣制を採用している点ではイギリス型である。

権力分立の特性

・自由主義的:権力の集中により権力が濫用され、国民の自由が侵されないように国家権力から国民の自由を守る。

・消極的:互いの権力を抑制し合い小さくする方向に働く。

・懐疑的:国家権力及びそれを行使する人間に対する不信任、疑ってかかる。

・中立的:どのような政治体制のもとでも当てはまる原理。

日本の三権分立

日本でも、明治憲法(大日本帝国憲法)で、立法権を帝国議会に、行政権を国務大臣に、司法権を裁判所に、という権力分立制(通常、国家権力は立法、行政、司法の三権に分けられるため、三権分立とも呼ばれる。)が取り入れられた。これは、現在の日本国憲法でも取り入れられている。日本国憲法では、第41条で国会を唯一の立法機関と定め、第65条で行政権は内閣に、第76条で司法権は裁判所に属すると定めて、三権分立をとっている。

三権分立とは、「三権が互いに抑制し合い、均衡を保っている(つりあっている)状態」をいう。三権分立の目的は、三権が相互に抑制し合うことによって、「権力の濫用を防ぎ、国民の権利や自由を守る」ためである。また、それぞれの機関の独立性を保つため、他の機関の行為を尊重し、不当な介入は避けるべきだとされている。

三権

・立法権:法律をつくる権限。

・行政権:法律に基づいて政治を行う権限。

・司法権:法律に基づいて裁判を行う権限。

参考

後藤光男 著 「図解雑学 憲法」 ナツメ社

伊藤真 監修 高野泰衡 著 「入門の法律 図解でわかる憲法」 日本実業出版社

http://gakusyu.shizuoka-c.ed.jp/shakai/seiji/06_2_sanken_mokuteki.htm

http://www.norio-de.com/kenpou/general-10/

http://www.weblio.jp/content/%E4%B8%89%E6%A8%A9%E5%88%86%E7%AB%8B


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