OECD

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2009年1月18日 (日) 20:35の版
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- 経済協力開発機構Organization for Economic Co-operation and Developmentの略称。OEEC(Organization for European Economic Coperation 欧州経済協力機構)の後をうけ、1961年に発足した先進工業国の経済協力機構。本部パリ。+ 経済協力開発機構Organization for Economic Co-operation and Developmentの略称。OEEC(Organization for European Economic Coperation 欧州経済協力機構)の後をうけ、1961年に発足した先進工業国の経済協力機構。本部をパリに置く。
== OECDの歩み == == OECDの歩み ==
 1948年、第二次世界大戦によって破壊されたヨーロッパ経済の復興の促進とマーシャルプランの受け入れを目的としてOEECが設立された。その後ヨーロッパ経済の回復と主に、当初は西欧諸国に対する援助供与国であったアメリカが、これらの国々と経済政策の調整を行う必要が生まれ、同時に当時増大しつつあった発展途上国援助の負担を先進諸国において分担することが要請された。こうして国際社会の発展及び構造変化に対応するための先進国間の新しい協調体制の確立を目指して、OEECを発展的に解消させ設立されたのがOECDである。OECD条約は1960年12月14日署名され、翌61年9月30日に発効した。  1948年、第二次世界大戦によって破壊されたヨーロッパ経済の復興の促進とマーシャルプランの受け入れを目的としてOEECが設立された。その後ヨーロッパ経済の回復と主に、当初は西欧諸国に対する援助供与国であったアメリカが、これらの国々と経済政策の調整を行う必要が生まれ、同時に当時増大しつつあった発展途上国援助の負担を先進諸国において分担することが要請された。こうして国際社会の発展及び構造変化に対応するための先進国間の新しい協調体制の確立を目指して、OEECを発展的に解消させ設立されたのがOECDである。OECD条約は1960年12月14日署名され、翌61年9月30日に発効した。
- OECD発足時の加盟国は、OEEC加盟18カ国(イギリス、西ドイツ、フランス、イタリア、ベネルクス3国、スウェーデン、ノルウェー、デンマーク、オーストリア、スイス、アイスランド、アイルランド、スペイン、ポルトガル、ギリシア、トルコ)にアメリカとカナダが加わった20カ国であった。その後64年には、IMF条国、ガット(GATT)11条国へ移行し、OECDの資本貿易外取引の自由化規約に沿う努力を果たした日本が加盟し、以後フィンランド、オーストラリア、ニュージーランド、メキシコ、チェコ、ハンガリー、ポーランド、韓国、スロバキヤが加盟して、2005年末の加盟国数は30カ国である。+ OECD発足時の加盟国は、OEEC加盟18カ国(イギリス、西ドイツ、フランス、イタリア、ベネルクス3国(ベルギー・オランダ・ルクセンブルク)、スウェーデン、ノルウェー、デンマーク、オーストリア、スイス、アイスランド、アイルランド、スペイン、ポルトガル、ギリシア、トルコ)にアメリカとカナダが加わった20カ国であった。その後64年には、IMF条国、ガット(GATT)11条国へ移行し、OECDの資本貿易外取引の自由化規約に沿う努力を果たした日本が加盟し、以後フィンランド、オーストラリア、ニュージーランド、メキシコ、チェコ、ハンガリー、ポーランド、韓国、スロバキヤが加盟して、2005年末の加盟国数は30カ国である。
== 目的 == == 目的 ==
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== 内部構造 == == 内部構造 ==
- OECDの内部構造としては、上部機構としての理事会と下部機構としての各種委員会がある。理事会はOECDの最高機関であり、全加盟国によって構成される。理事会は閣僚レベルの閣僚理事会と常駐代表会議の2つに分かれ、下部機関の設置、各種の政策決定、事務総長の任命などの権限を有し、決定は全会一致を原則としている。理事会には補佐機関として執行委員会と、通貨・貿易などの国際経済問題を大局的観点から討議する新執行委員会とがある。事務長は理事会によって任命され、常駐代表会議の議長をも務め、任期は5年である。OECDの下部聞こうとしては、経済政策、開発援助、貿易の三大委員会に加えて、経済、社会などの広範かつ多岐の分野に対応するため、経済開発検討、技術協力、海運、制限的商慣行、農業、環境など約30の委員会が設置されており、これらの委員会は年次作業計画を作成するとともに、作業部会や専門家グループに補佐されて研究調査を行っている。+ OECDの内部構造としては、上部機構としての理事会と下部機構としての各種委員会がある。理事会はOECDの最高機関であり、全加盟国によって構成されている。理事会は閣僚レベルの閣僚理事会と常駐代表会議の2つに分かれ、下部機関の設置、各種の政策決定、事務総長の任命などの権限を有し、決定は全会一致を原則としている。理事会には補佐機関として執行委員会と、通貨・貿易などの国際経済問題を大局的観点から討議する新執行委員会とがある。
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 + 事務長は理事会によって任命され、常駐代表会議の議長をも務め、任期は5年である。OECDの下部機構としては、経済政策、開発援助、貿易の三大委員会に加えて、経済、社会などの広範かつ多岐の分野に対応するため、経済開発検討、技術協力、海運、制限的商慣行、農業、環境など約30の委員会が設置されており、これらの委員会は年次作業計画を作成するとともに、作業部会や専門家グループに補佐されて研究調査を行っている。
== 特徴 == == 特徴 ==
- 国際機構としてのOECDの特徴は、西側先進国を加盟国としているため、メンバー間に同質的性格及びクラブ的性格を有していることである。その結果、各加盟国の政策調整は、関係国代表が直接協議する、いわゆるコンフロンテーション方式がとられている。さらにOECDにおいては意見および情報の交換が中心で、結論を得るよりも、各国代表による討論を通じて共通の理解が形成されることに重点が置かれている。したがって、OECDとしての政策決定を行う場合には、多数決ではなく全会一致方式がとられる。なお、世界経済に関する種々の統計も作成している。+ 国際機構としてのOECDの特徴は、西側先進国を加盟国としているため、メンバー間に同質的性格及びクラブ的性格を有していることである。その結果、各加盟国の政策調整は、関係国代表が直接協議するコンフロンテーション方式がとられている。さらにOECDにおいては意見および情報の交換が中心で、結論を得るよりも、各国代表による討論を通じて共通の理解が形成されることに重点が置かれている。したがって、OECDとしての政策決定を行う場合には、多数決ではなく全会一致方式がとられる。
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 + 世界経済に関する種々の統計も作成している。
== 引用文献 == == 引用文献 ==

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 経済協力開発機構Organization for Economic Co-operation and Developmentの略称。OEEC(Organization for European Economic Coperation 欧州経済協力機構)の後をうけ、1961年に発足した先進工業国の経済協力機構。本部をパリに置く。

目次

OECDの歩み

 1948年、第二次世界大戦によって破壊されたヨーロッパ経済の復興の促進とマーシャルプランの受け入れを目的としてOEECが設立された。その後ヨーロッパ経済の回復と主に、当初は西欧諸国に対する援助供与国であったアメリカが、これらの国々と経済政策の調整を行う必要が生まれ、同時に当時増大しつつあった発展途上国援助の負担を先進諸国において分担することが要請された。こうして国際社会の発展及び構造変化に対応するための先進国間の新しい協調体制の確立を目指して、OEECを発展的に解消させ設立されたのがOECDである。OECD条約は1960年12月14日署名され、翌61年9月30日に発効した。

 OECD発足時の加盟国は、OEEC加盟18カ国(イギリス、西ドイツ、フランス、イタリア、ベネルクス3国(ベルギー・オランダ・ルクセンブルク)、スウェーデン、ノルウェー、デンマーク、オーストリア、スイス、アイスランド、アイルランド、スペイン、ポルトガル、ギリシア、トルコ)にアメリカとカナダが加わった20カ国であった。その後64年には、IMF条国、ガット(GATT)11条国へ移行し、OECDの資本貿易外取引の自由化規約に沿う努力を果たした日本が加盟し、以後フィンランド、オーストラリア、ニュージーランド、メキシコ、チェコ、ハンガリー、ポーランド、韓国、スロバキヤが加盟して、2005年末の加盟国数は30カ国である。

目的

 OECDの目的は、OECD条約にも示されているように、①財政金融上の安定を維持しつつ、できるだけ高い経済成長、雇用の増大、生活水準の向上を図ること(経済政策)、②発展途上の諸地域の経済成長に寄与すること(開発援助)、③多角的、無差別な世界貿易の拡大(貿易外取引や資本取引の自由化も含まれる)に寄与すること(貿易)の三つであるが、国際エネルギー機関(IEA)がOECDの一部として1974年に発足したため、最近ではエネルギー問題を加えて4本の柱があるとされることが多い。  この四大目的に対しては、①経済政策委員会(EPC)②開発援助委員会(DAC)③貿易委員会④IEAおよびエネルギー委員会がそれぞれ組織上では対応する。

内部構造

 OECDの内部構造としては、上部機構としての理事会と下部機構としての各種委員会がある。理事会はOECDの最高機関であり、全加盟国によって構成されている。理事会は閣僚レベルの閣僚理事会と常駐代表会議の2つに分かれ、下部機関の設置、各種の政策決定、事務総長の任命などの権限を有し、決定は全会一致を原則としている。理事会には補佐機関として執行委員会と、通貨・貿易などの国際経済問題を大局的観点から討議する新執行委員会とがある。

 事務長は理事会によって任命され、常駐代表会議の議長をも務め、任期は5年である。OECDの下部機構としては、経済政策、開発援助、貿易の三大委員会に加えて、経済、社会などの広範かつ多岐の分野に対応するため、経済開発検討、技術協力、海運、制限的商慣行、農業、環境など約30の委員会が設置されており、これらの委員会は年次作業計画を作成するとともに、作業部会や専門家グループに補佐されて研究調査を行っている。

特徴

 国際機構としてのOECDの特徴は、西側先進国を加盟国としているため、メンバー間に同質的性格及びクラブ的性格を有していることである。その結果、各加盟国の政策調整は、関係国代表が直接協議するコンフロンテーション方式がとられている。さらにOECDにおいては意見および情報の交換が中心で、結論を得るよりも、各国代表による討論を通じて共通の理解が形成されることに重点が置かれている。したがって、OECDとしての政策決定を行う場合には、多数決ではなく全会一致方式がとられる。

 世界経済に関する種々の統計も作成している。

引用文献

下中直人(編) 2007 世界大百科辞典20 平凡社

新村出(編) 2008 広辞苑第六版 岩波書店

渡邊靜夫(編) 1994 日本大百科全書16 小学館

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