バイリンガリズム
出典: Jinkawiki
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バイリンガリズムとは二言語併用のことである。
バイリンガリズムには、さまざまな種類があり、大きく分けて
個人的バイリンガリズムと社会的バイリンガリズムに分けられる。
まず、個人的バイリンガリズムとは言語環境によって様々に変わりうるものである。
これは、言語学・心理言語学・第二言語獲得理論などの立場から研究を行われている。この個人的バイリンガリズムの中でも、
さらに3つに分類されている。
1つ目は均衡バイリンガルといって、2つの言語の言語能力が同じレベルであることをさす。
2つ目に偏重バイリンガルは、言語環境の変化によって2つの言語能力の間に差が生じた場合のことをいう。
例として、幼いうちに別の国に移住して、そこでの言語の使用が増えたことによって差が生まれるということもある。
3つ目に、潜伏バイリンガルだが、これは一方の言語が全く使われなくなった場合で、幼児期に潜伏バイリンガルが起こり、
もう一方の言語を全く忘れてしまう「言語忘却」もその1つである。
次に、社会的なバイリンガリズムとは、1つの社会において複数の言語がそれぞれ独自の社会的機能を持って共存している
状況下で起こりうるものである。これは、社会言語学的な立場から研究を行われている。
例をいくつかあげると、アラビア語(古典語と俗語)、現代ギリシャ語(純粋語と俗語)や
スイスのドイツ語(高地ドイツ語とスイスドイツ語)、カナダの公用語(フランス語と英語)などがある。
国際キリスト教大学、ジョン・マヘー准教授は、バイリンガリズムについて、
「日本の多くの人が日本語以外の言語も使用して生活しているバイリンガル社会である」
「バイリンガル教育 はバイリンガルを育成するプロセスに貢献する教育であって、どんなに不完全であっても、
バイリンガル度を高めるためになされるものである。とすると、外国語教育は明らかにバイリンガル教育に
含まれる」。バイリンガリズムとは、一部の特別の能力をもった人を対象とする特殊なものではなく、
われわれ全員がかわりを持つ日常的なものである。」と述べている。
また、フランス人のグロンニャス教授 (Francois Grosjean) は、「日本は、一見すると単一言語・ 単一文化の社会の
ようであるが、実はアイヌ語、朝鮮語、中国語をつかう少数派の集団がいる。彼らは、多数派の日本人とは離れて
生活しているから、二言語併用の状況はまだ何世代か先まで 続くはずである」
このように我々にとってバイリンガルやバイリンガリズムは決して
関係のないものでないことが分かるだろう。