基本的人権

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-'''== 基本的人権 =='''+「基本的人権」人権の前に「基本的」という言葉がつく、このことは何を意味しているのか。これを考えることはとても大事なことなのである。基本的に人は生まれながらにして権利をもっているだから奪うことのできない永久の権利である。これが、「基本的」という言葉にこめられている意味である。次に日本国憲法を見てみる。
 +日本国憲法 第11条 国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与へられる。
 +ここで読み取れることは、「将来の国民」にも与えられるということ。どんなに憲法が変わろうとも、基本的人権は永久の権利であって、奪われることがないことを、この条文では宣言していることが分かる。 これは、17~18世紀のヨーロッパで生まれた「自然権」の考えから生まれたもの。自然権、つまり人間は生まれつき人権を持っている、ということである。また、アメリカ独立宣言には、われわれは、自明の真理として、すべての人は平等に造られ、造物主によって、一定の奪いがたい天賦の権利を付与され、その中に生命、自由および幸福の追求の含まれることを信ずる。 キリスト教的考え方で、造物主つまり神から与えられた「天賦の人権」をキリスト教信徒はみんな持っている、ということであるが、この考え方が発展して定着し(つまり宗教色がなくなり)、「基本的人権」の考え方としてまとまっていったのである。憲法で保障されている平等権だが、実際は・・・日本国憲法であげられているいろいろあげていくときりがないが、簡単に説明してみる。
 +まずは平等権。人はみな法の下に平等。また日本国憲法では、選挙権の平等、男女の平等も別に条文を作って保障している。ここには、人間の平等についてまったく考慮されていなかった、戦前の明治憲法の改善がみられる。そうはいっても、雇用の場での男女差別を禁止した男女雇用機会均等法ができたのは憲法制定から40年近くたった1985年。それが改正されて「男子のみ募集」とかが原則禁止になったのは1999年。ハンセン病の患者たちが、不合理に差別されていた「らい予防法」が廃止されたのも、比較的最近の1996年。それまではほとんど感染→発病の可能性がないハンセン病の患者は、隔離されて文句が言えないという不平等な状態にあったわけである。他にも、不合理な差別を受けている人々はたくさんいる。憲法で人権が保障されていても、それがしっかり守られているかどうか、われわれ国民はつねに注視していかなければならない。
-よく「基本的人権」人権の前に「基本的」という言葉がつく、このことは何を意味しているのか。これ、すごく大事なことなのである。+'''人権概念の歴史'''
-基本的に人は生まれながらにして権利をもっている。だから、奪うことはできない。たとえ、憲法に保障されていなくても。これが、「基本的」という言葉にこめられている意味。次に日本国憲法を見てみる。+
-日本国憲法 第11条+人権とは「人が生まれながらに有する侵すことのできない権利」である。この人権概念は、人類の歴史の中で形成されてきたものである。また、人権の敵視は憲法の歴史でもある
-国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与へられる。+ イギリスのマグナカルタ(1215年)は封建領主の特権を王国に認めさせたものであるが、その種子が時を経て権利請願(1628年)、人身保護法(1679年)、権利章典(1689年)、などを成立させていく。そこでは議会の同意のない課税の禁止や適正な手続きによらなければ罰則を科せられない権利など、イギリス国民の伝統的権利や自由が宣言されている。
 + アメリカでは、まずヴァージニア権利章典(1776年6月)で、すべての人は自由で独立したそんざいであり、生まれながらの権利を有するとしている。また、アメリカ独立宣言(1776年7月)においても、生命、自由、幸福追求が含まれる人権が保障されていることを宣言し、どちらとも自然権思想を具体化している。さらに、アメリカ合衆国憲法(1788年)は、当初、統治機構に関する条項のみだったが、1791年に修正条項という形で人教の自由や言論の自由、人身の自由や財産権の規定が追加された。
 + フランスでは市民革命を経た人権宣言(1789年)において、人は、自由かつ権利において平等のものとして出生し、存在するとしている、この人権宣言は、現行のフランス憲法(1958年)の前文で確認されており、現在での実質的に憲法の一部をなしている。
 + ドイツでは1919年にワイマール憲法が成立している。ここどは、経済的自由はすべての人のものに人間たるに値する生活を保障する目的の限度で保障されている。ここで初めての社会嫌悪基本的な考え方が登場した。
 +このように人権概念は、人類の長年にわたる自由獲得の歴史の中で、形成されてきたものである。日本国憲法97条も「この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であつて、これらの権利は、過去幾多の試練を堪へ、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたもの」として、人類の歴史性を明らかにしている。
-「将来の国民」にも与えられるのである。どんなに憲法が変わろうとも、基本的人権は永久の権利であって、奪われることがないことを、この条文では宣言していることが分かる。 
-これは、17~18世紀のヨーロッパで生まれた「自然権」の考えから生まれたもの。自然権、つまり人間は生まれつき人権を持っている、ということである。また、アメリカ独立宣言には、こう書かれている。+引用 http://allabout.co.jp/career/politicsabc/closeup/CU20040603A/index.htm
-われわれは、自明の真理として、すべての人は平等に造られ、造物主によって、一定の奪いがたい天賦の権利を付与され、その中に生命、自由および幸福の追求の含まれることを信ずる。+
-キリスト教的考え方で、造物主つまり神から与えられた「天賦の人権」をキリスト教信徒はみんな持っている、ということであるが、この考え方が発展して定着し(つまり宗教色がなくなり)、「基本的人権」の考え方としてまとまっていったのである。+参考文献 伊藤 真(監修)高野泰衡著 「入門の憲法 図解でわかる憲法」
-憲法で保障されている平等権だが、実際は・・・+
-日本国憲法であげられているいろいろあげていくときりがないが、簡単に説明してみる。+
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-まずは平等権。人はみな法の下に平等。また日本国憲法では、選挙権の平等、男女の平等も別に条文を作って保障している。ここには、人間の平等についてまったく考慮されていなかった、戦前の明治憲法の改善がみられる。+
-そうはいっても、雇用の場での男女差別を禁止した男女雇用機会均等法ができたのは憲法制定から40年近くたった1985年。それが改正されて「男子のみ募集」とかが原則禁止になったのは1999年。+
-ハンセン病の患者たちが、不合理に差別されていた「らい予防法」が廃止されたのも、比較的最近の1996年。それまではほとんど感染→発病の可能性がないハンセン病の患者は、隔離されて文句が言えないという不平等な状態にあったわけである。+
-他にも、不合理な差別を受けている人々はたくさんいる。憲法で人権が保障されていても、それがしっかり守られているかどうか、われわれ国民はつねに注視していかなければならない。+
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-http://allabout.co.jp/career/politicsabc/closeup/CU20040603A/index.htm+

2009年1月29日 (木) 09:58の版

「基本的人権」人権の前に「基本的」という言葉がつく、このことは何を意味しているのか。これを考えることはとても大事なことなのである。基本的に人は生まれながらにして権利をもっているだから奪うことのできない永久の権利である。これが、「基本的」という言葉にこめられている意味である。次に日本国憲法を見てみる。 日本国憲法 第11条 国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在及び将来の国民に与へられる。 ここで読み取れることは、「将来の国民」にも与えられるということ。どんなに憲法が変わろうとも、基本的人権は永久の権利であって、奪われることがないことを、この条文では宣言していることが分かる。 これは、17~18世紀のヨーロッパで生まれた「自然権」の考えから生まれたもの。自然権、つまり人間は生まれつき人権を持っている、ということである。また、アメリカ独立宣言には、われわれは、自明の真理として、すべての人は平等に造られ、造物主によって、一定の奪いがたい天賦の権利を付与され、その中に生命、自由および幸福の追求の含まれることを信ずる。 キリスト教的考え方で、造物主つまり神から与えられた「天賦の人権」をキリスト教信徒はみんな持っている、ということであるが、この考え方が発展して定着し(つまり宗教色がなくなり)、「基本的人権」の考え方としてまとまっていったのである。憲法で保障されている平等権だが、実際は・・・日本国憲法であげられているいろいろあげていくときりがないが、簡単に説明してみる。 まずは平等権。人はみな法の下に平等。また日本国憲法では、選挙権の平等、男女の平等も別に条文を作って保障している。ここには、人間の平等についてまったく考慮されていなかった、戦前の明治憲法の改善がみられる。そうはいっても、雇用の場での男女差別を禁止した男女雇用機会均等法ができたのは憲法制定から40年近くたった1985年。それが改正されて「男子のみ募集」とかが原則禁止になったのは1999年。ハンセン病の患者たちが、不合理に差別されていた「らい予防法」が廃止されたのも、比較的最近の1996年。それまではほとんど感染→発病の可能性がないハンセン病の患者は、隔離されて文句が言えないという不平等な状態にあったわけである。他にも、不合理な差別を受けている人々はたくさんいる。憲法で人権が保障されていても、それがしっかり守られているかどうか、われわれ国民はつねに注視していかなければならない。

人権概念の歴史

人権とは「人が生まれながらに有する侵すことのできない権利」である。この人権概念は、人類の歴史の中で形成されてきたものである。また、人権の敵視は憲法の歴史でもある  イギリスのマグナカルタ(1215年)は封建領主の特権を王国に認めさせたものであるが、その種子が時を経て権利請願(1628年)、人身保護法(1679年)、権利章典(1689年)、などを成立させていく。そこでは議会の同意のない課税の禁止や適正な手続きによらなければ罰則を科せられない権利など、イギリス国民の伝統的権利や自由が宣言されている。  アメリカでは、まずヴァージニア権利章典(1776年6月)で、すべての人は自由で独立したそんざいであり、生まれながらの権利を有するとしている。また、アメリカ独立宣言(1776年7月)においても、生命、自由、幸福追求が含まれる人権が保障されていることを宣言し、どちらとも自然権思想を具体化している。さらに、アメリカ合衆国憲法(1788年)は、当初、統治機構に関する条項のみだったが、1791年に修正条項という形で人教の自由や言論の自由、人身の自由や財産権の規定が追加された。  フランスでは市民革命を経た人権宣言(1789年)において、人は、自由かつ権利において平等のものとして出生し、存在するとしている、この人権宣言は、現行のフランス憲法(1958年)の前文で確認されており、現在での実質的に憲法の一部をなしている。  ドイツでは1919年にワイマール憲法が成立している。ここどは、経済的自由はすべての人のものに人間たるに値する生活を保障する目的の限度で保障されている。ここで初めての社会嫌悪基本的な考え方が登場した。 このように人権概念は、人類の長年にわたる自由獲得の歴史の中で、形成されてきたものである。日本国憲法97条も「この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であつて、これらの権利は、過去幾多の試練を堪へ、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたもの」として、人類の歴史性を明らかにしている。


引用 http://allabout.co.jp/career/politicsabc/closeup/CU20040603A/index.htm

参考文献 伊藤 真(監修)高野泰衡著 「入門の憲法 図解でわかる憲法」


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