行政権

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2009年1月30日 (金) 13:43の版
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ルールにより行政権に関しては国会が監督し、また司法府は違憲立法審査権により行政作用をコントロールできるようになっている。しかし、行政の積極的行動が要求されるにつれ、行政権の拡大という現象も生じている。 ルールにより行政権に関しては国会が監督し、また司法府は違憲立法審査権により行政作用をコントロールできるようになっている。しかし、行政の積極的行動が要求されるにつれ、行政権の拡大という現象も生じている。
現代の行政は複雑で多岐な内容にわたっており、これに必要かつ十分な定義を与えるのは、容易でない。そのため、行政の定義については、内容的に定義することを放棄し、消極的に定義するにとどまる控除説(消極説)と、なんとか行政の内容を積極的に定義してその内容を明らかにしようと努める積極説が対立する。なお、控除説、積極説とも、定義するのは実質的意義の行政である。 現代の行政は複雑で多岐な内容にわたっており、これに必要かつ十分な定義を与えるのは、容易でない。そのため、行政の定義については、内容的に定義することを放棄し、消極的に定義するにとどまる控除説(消極説)と、なんとか行政の内容を積極的に定義してその内容を明らかにしようと努める積極説が対立する。なお、控除説、積極説とも、定義するのは実質的意義の行政である。
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< 控除説(消極説)> < 控除説(消極説)>
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公法学上は、国家作用のうち、立法作用と司法(裁判)作用を控除した残余の作用を指すとする見解(控除説、消極説)が支配的である。 公法学上は、国家作用のうち、立法作用と司法(裁判)作用を控除した残余の作用を指すとする見解(控除説、消極説)が支配的である。
-このような控除説による説明は、内容的な定義づけを放棄しており、意味がないようにも見える。しかし、君主が有していた包括的な国家権能のうちまず立法権が議会に移譲され、その残りである執行権のうち司法権がさらに分化され、君主に残された権能が行政とされたという沿革に対応している。さらに、現実問題としても、行政と観念される作用には様々なものがあり、それらを漏れなく包括する必要もある。したがって、控除説は一般的に支持されている+このような控除説による説明は、内容的な定義づけを放棄しており、意味がないようにも見える。しかし、君主が有していた包括的な国家権能のうちまず立法権が議会に移譲され、その残りである執行権のうち司法権がさらに分化され、君主に残された権能が行政とされたという沿革に対応している。さらに、現実問題としても、行政と観念される作用には様々なものがあり、それらを漏れなく包括する必要もある。したがって、控除説は一般的に支持されている。
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<積極説> <積極説>
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もっとも、このような消極的な定義づけに満足せず、積極的な定義づけをする試みもある。代表的な見解は田中二郎によるものであり、「法の下に法の規制を受けながら、現実に国家目的の積極的実現をめざしておこなわれる全体として統一性をもった継続的な形成的国家活動」とするものである。だが、行政の特徴等を大まかにイメージしたものに過ぎないという批判もあり、必ずしも成功しているとはいえない。 もっとも、このような消極的な定義づけに満足せず、積極的な定義づけをする試みもある。代表的な見解は田中二郎によるものであり、「法の下に法の規制を受けながら、現実に国家目的の積極的実現をめざしておこなわれる全体として統一性をもった継続的な形成的国家活動」とするものである。だが、行政の特徴等を大まかにイメージしたものに過ぎないという批判もあり、必ずしも成功しているとはいえない。

2009年1月30日 (金) 13:47の版

行政権とは日本の三権分立の一つである。国会による立法を具体的に執行し行く権限で、日本国憲法第65条は行政権を内閣に属すると定めている。三権分立の ルールにより行政権に関しては国会が監督し、また司法府は違憲立法審査権により行政作用をコントロールできるようになっている。しかし、行政の積極的行動が要求されるにつれ、行政権の拡大という現象も生じている。 現代の行政は複雑で多岐な内容にわたっており、これに必要かつ十分な定義を与えるのは、容易でない。そのため、行政の定義については、内容的に定義することを放棄し、消極的に定義するにとどまる控除説(消極説)と、なんとか行政の内容を積極的に定義してその内容を明らかにしようと努める積極説が対立する。なお、控除説、積極説とも、定義するのは実質的意義の行政である。

< 控除説(消極説)>

公法学上は、国家作用のうち、立法作用と司法(裁判)作用を控除した残余の作用を指すとする見解(控除説、消極説)が支配的である。 このような控除説による説明は、内容的な定義づけを放棄しており、意味がないようにも見える。しかし、君主が有していた包括的な国家権能のうちまず立法権が議会に移譲され、その残りである執行権のうち司法権がさらに分化され、君主に残された権能が行政とされたという沿革に対応している。さらに、現実問題としても、行政と観念される作用には様々なものがあり、それらを漏れなく包括する必要もある。したがって、控除説は一般的に支持されている。

<積極説>

もっとも、このような消極的な定義づけに満足せず、積極的な定義づけをする試みもある。代表的な見解は田中二郎によるものであり、「法の下に法の規制を受けながら、現実に国家目的の積極的実現をめざしておこなわれる全体として統一性をもった継続的な形成的国家活動」とするものである。だが、行政の特徴等を大まかにイメージしたものに過ぎないという批判もあり、必ずしも成功しているとはいえない。


参考文献 新政治経済資料集 本郷充

政治経済資料集 野澤伸平

百科事典「ウィキペディア」


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