マス・メディア

出典: Jinkawiki

(版間での差分)

最新版

   テレビ・ラジオ・新聞・雑誌・映画などのマス・コミュニケーション(大衆への大量的な情報伝達)の媒体。


具体的機能

①さまざまなニュースを私たちに届けてくれる報道の機能。

②歴史や文学等、雑多な知識を私たちに教えてくれる教育の機能。

③どれが良い商品か伝えてくれる宣伝の機能。

④芸能、スポーツ等、私たちを楽しませてくれる娯楽の機能。

 このなかでも重要なのは、報道の機能。この点、最高裁も<博多駅テレビ・フィルム提出命令事件>において、報道の重要性につき、「報道機関の報道は、民主主義社会において、国民が国政に関与するにつき、重要な判断の資料を提出し、国民の『知る権利』に奉仕するものである。したがって、思想の表明の自由と並んで、事実の報道の自由は、表現の自由を規定した憲法21条の保障のもとにあることはいうまでもない」と述べている。    さらに、マス・メディアの具体的機能としては、次の2つに注目する必要がある。  まず、権力の批判者としての機能(国民に警告を発し、国民を教え導く役割)。 アメリカ憲法の起草者であるトーマス・ジェファス―ンの「新聞は政府の検閲官として奉仕すべきである」という言葉にあきらかなように、政府の検閲者としての役割がある。これを、権力批判のための“番犬”機能と表現している論者もいる。

*例えば…1974(昭和49)年ジャーナリストの某雑誌に掲載された田中角栄元首相の金脈についての論文が、田中角栄退陣のきかけとなった。 時の権力を監視し、その不正を白日のもとにさらすことにより正すことも、マス・メディアの重要な機能。

 また、マス・メディアは、社会の変化に対して人びとが早期に対応できるよう警告を発したり、また、人びとが決断するのに必要な知識を与える役割をする。

*例えば…マス・メディアが、いわゆる振り込め詐欺について、その手口等を大々的に報道することにより、人びとは学習し、詐欺の被害者になることを回避しうる。

 これらのようにマス・メディアは、権力を監視し、社会環境を監視する機能をもつ。


マス・メディアの規制

   マス・メディアは多くの問題点を抱えているため、マスコミ不信に陥る人も多い。 政府は放送法などによりマスメディアを規制している。この中にはマス・メディア集中排除原則などがある。メディア規制三法などより強い規制も検討されている。新聞業界は日本新聞協会などが倫理規定を策定している。テレビ業界は放送倫理・番組向上機構(BPO)を作っている。しかし、チェック機能は貧弱で、自浄作用に乏しい。 情報の受け手もより正確な情報を手に入れると共に、一方的な情報に踊らされないためにもメディア・リテラシーを身につけ、マス・メディアから配信される情報を鵜呑みにしない事が望ましい。

・メディア・リテラシー:情報が流通する媒体(メディア)を使いこなす能力。メディアの特性や利用方法を理解し、適切な手段で自分の考えを他者に伝達し、あるいは、メディアを流れる情報を取捨選択して活用する能力のこと。

 *参考文献*

・IT用語辞典 http://e-words.jp/w/E383A1E38387E382A3E382A2E383AAE38386E383A9E382B7E383BC.html

・「プライム法学◆憲法」 編著者:後藤光男 北原仁 2007

・ウィキペディア


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