WASP 2
出典: Jinkawiki
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WASP(ワスプ)とは、White Anglo-Saxon Protestant(ホワイト・アングロサクソン・プロテスタント)の頭文字をとった略語。
アメリカでの白人のエリート支配層を指す語として造られ、当初は彼らと主に競争関係にあったアイリッシュカトリックにより使われていた。エドワード・ディグビー・ボルツェルが1964年にThe Protestant Establishment: Aristocracy & Caste in Americaを著したことで一般にも用いられるようになった。 この語の指示範囲は使用者により異なり、イングランド系を指す場合と、長老派教会や会衆派教会、米国聖公会に属するスコッチ・アイリッシュやウェルシュ、スコティッシュなど、ケルト系のものまで含む場合もある。
元来、「P」は、Puritan(清教徒)であり、「ピルグリム・ファーザーズの子孫」と言う意味合いが強かった。イングランド系プロテスタントのアメリカ建国以来のエリートたちが、現在のアメリカ合衆国の支配的な地位を占め続けているとするニュアンスがこめられ、主に反米、反白人、反共和党、反キリスト教根本主義によって使用される傾向がある。
しかし、現代アメリカ社会には「AS」、アングロサクソンと言う枠組みは存在しない。例えば第43代大統領のジョージ・W・ブッシュはイギリス王室の遠縁として知られるが、その他にも西欧各地からの移民の血を受け継いでおり、その中にはフランス、イタリアなどのカトリック国からの移民も含まれる。
「S」については、suburban(郊外)と解釈する見方もある。アメリカ社会の多様性の成熟、成長とともに都市部に集まり出した黒人を嫌う中流階級以上の白人世帯が、こぞって郊外に居住地を移したことを指している。