南蛮貿易

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南蛮貿易

   南蛮貿易(なんばんぼうえき)とは、日本の商人とスペイン、ポルトガルの商人(南蛮人)との間で16世紀半ばから17世紀初期にかけて行われていた貿易である。ポルトガルは勘合貿易と倭冠の衰退によってできた日明貿易の隙間に注目し、日本市場の開発に努力を傾けた。すなわち、ポルトガルはマカオにおける東方進出・東方貿易の経営に功績をあげたものを国王代理権付与の行政官とし、その監督の下に対日貿易を行い、その利益は国王・行政官の半々とした(カピタン・モール制)。その貿易方法は、日本産の銀と中国産の生糸・絹織物との交換的売買を主軸とする仲介貿易であり、総監府のあるゴアからマカオを経て日本の貿易港(鹿児島・坊ノ津・平戸・府内・長崎)にいたり、また、そのコースで帰還するものであった。このような貿易を通じて、戦国大名たちの的である鉄砲・火薬・皮製品・鉄といった軍需品もまたもたらされたから、ポルトガルの貿易船に対する関心はきわめて高いものであった。 しかし、その後の江戸幕府は禁教政策に加え、西国大名が勢力を伸ばすことを警戒したので海外との貿易を制限するようになった。交易場所は平戸と長崎に限られるようになり、1624年にスペイン船の来航が禁止され、1639年にポルトガル船の来航が禁止され、平戸での交易を禁止するなど鎖国体制が成立し、南蛮貿易は終了した。

南蛮貿易で火縄銃が伝来したことは有名だが、こんなものも日本に伝えられている。「トランプ」である。「トランプ」は「切り札」を意味する英単語。 日本で言う「トランプ」は「(プレイング・)カード」。 スペイン人もしくはポルトガル人が南蛮貿易で プレイング・カードを日本に持ち込んだ際、 トランプという言葉を連呼していたので誤解が生じ、 プレイング・カードがトランプと呼ばれるようになった。 プレイング・カードで遊ばれるゲームの中には、「トリック・テイキング・ゲーム」と呼ばれる一群のゲーム達 (ブリッヂが有名。日本では他にナポレオン、 ツー・テン・ジャックが有名)がある。「トランプ(切り札)」はこれらのゲームの多くで使われる用語で、 通常の札よりも強い札の事を指す。 なおトランプという言葉はトライオンフ(勝利)というゲームに 由来する。


参考:家永三朗 黒羽清隆 「新講 日本史」 三省堂 

参考:松田 道弘 「トランプものがたり」 岩波書店 1979年11月


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