自殺

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'''自殺''' '''自殺'''
-自殺(じさつ)は、自ら自分の生命を絶つ行為である。死に至らなかった場合、自殺未遂(じさつみすい)ということがある。国立精神神経センター(厚生労働省)によると、世界的に自殺によって毎年全世界で約100万人が死亡しているとされ、世界疾病負担(the Global burden of diseases)の1.4%を占める。しかし、変死の中の割合は約半数が自殺とされる。そして、自殺によって損なわれる経済的損失も数十億ドル規模にのぼる。WHOの自殺予防に関する特別専門家会議によると、自殺の原因は個人や社会に内在する多くの複雑な原因によって引き起こされるが、「自殺は予防できる事を知り、自殺手段の入手が自殺の最大の危険因子で、自殺を決定づける。」としている。+自殺(じさつ)は、自ら自分の生命を絶つ行為である。死に至らなかった場合、自殺未遂(じさつみすい)ということがある。国立精神神経センター(厚生労働省)によると、世界的に自殺によって毎年全世界で約100万人が死亡しているとされ、世界疾病負担(the Global burden of diseases)の1.4%を占める。しかし、変死の中の割合は約半数が自殺とされる。そして、自殺によって損なわれる経済的損失も数十億ドル規模にのぼる。WHOの自殺予防に関する特別専門家会議によると、自殺の原因は個人や社会に内在する多くの複雑な原因によって引き起こされるが、「自殺は予防できる事を知り、自殺手段の入手が自殺の最大の危険因子で、自殺を決定づける。」としている。自殺の手法としては、首吊り ガス 飛び降り 大量服薬・服毒 入水 低温 飛び込み 刃物による失血死 焼身自殺 感電 銃による自殺 専用機器による自殺 などがある。自殺の原因は、初めて社会的な要因からの自殺の研究を発表したのは、エミール・デュルケームの『自殺論』である。自殺を罪という側面からしか見ることがなかったキリスト教的価値観とは一線を画すものであった。
 +自殺の動機となる要因として、
 +社会要因
 +個人環境要因
 +個人要因
 +医学的要因
 +生物学的要因
 +が挙げられている。基礎にこれらの要因が存在するところに、何らかの誘因が加わって、自殺が実行される。
 +社会要因については、デュルケームが、『自殺論』の中でさらに4つの要因に類型化している。
 +1998年から自殺者数が3万人以上に増加した。それまで約2~2.5万人程度であった年間の自殺者数は、1998年を境に急増して3万人を超え、それ以降3万人超となっている。自殺者の70%以上が男性であり、1998年以降、自殺者数が急増した要因も男性、特に中高年男性の自殺増加によるものであった。2003年には、年間自殺者数が3万4千人に達し、統計のある1897年以降で最大となった。自殺率も27.0と過去最大となった。なお、女性より男性のほうが自殺者数が多いのは、女性はたとえ無職でも独身であっても家族や社会の状況に組み込まれて保護されているが、男性は無職だったり独身であったりすると、社会的に孤立を余儀なくされるためと考えられる[33]。ちなみに、年間自殺者も変死を精査すると実質的年間自殺者は10万人を超えるという推測がなされている。
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 +膨大な数の統計学的・疫学的研究は、文化(宗教・教育)と生活様式(都会暮らしか田舎暮らしか)と家族の状態(独身か既婚か)、社会的状況(失業者や囚人など)が自殺行為に重要な意味を持つことを明らかにしている[34]。自殺者数の動向については、過去にも1958年と1983年に一時的に増加する動きがあったが、1998年以降の自殺者数の増加については、過去のものとは動向が違い、経済・社会的な要因が影響している可能性があることが指摘されている。
 +自殺者が多い曜日は月曜日である。これはサザエさん症候群(ブルーマンデー症候群)の影響があると見られる。逆に少ない曜日は土曜日で、男女ともに同じ傾向である。また、月別では5月が一番多い。
 +また自殺についてのサイトも多く存在し、分野別自殺や遺言等を掲載しているサイトも存在する。ほかにも、自殺予防総合対策センターがあり、自殺者の数を減らそうと活動をしているグループもいる。
 +9月10日~16日は世界自殺予防デーとされている。
'''日本の歴史''' '''日本の歴史'''

2009年7月13日 (月) 07:28の版

自殺

自殺(じさつ)は、自ら自分の生命を絶つ行為である。死に至らなかった場合、自殺未遂(じさつみすい)ということがある。国立精神神経センター(厚生労働省)によると、世界的に自殺によって毎年全世界で約100万人が死亡しているとされ、世界疾病負担(the Global burden of diseases)の1.4%を占める。しかし、変死の中の割合は約半数が自殺とされる。そして、自殺によって損なわれる経済的損失も数十億ドル規模にのぼる。WHOの自殺予防に関する特別専門家会議によると、自殺の原因は個人や社会に内在する多くの複雑な原因によって引き起こされるが、「自殺は予防できる事を知り、自殺手段の入手が自殺の最大の危険因子で、自殺を決定づける。」としている。自殺の手法としては、首吊り ガス 飛び降り 大量服薬・服毒 入水 低温 飛び込み 刃物による失血死 焼身自殺 感電 銃による自殺 専用機器による自殺 などがある。自殺の原因は、初めて社会的な要因からの自殺の研究を発表したのは、エミール・デュルケームの『自殺論』である。自殺を罪という側面からしか見ることがなかったキリスト教的価値観とは一線を画すものであった。 自殺の動機となる要因として、 社会要因 個人環境要因 個人要因 医学的要因 生物学的要因 が挙げられている。基礎にこれらの要因が存在するところに、何らかの誘因が加わって、自殺が実行される。 社会要因については、デュルケームが、『自殺論』の中でさらに4つの要因に類型化している。 1998年から自殺者数が3万人以上に増加した。それまで約2~2.5万人程度であった年間の自殺者数は、1998年を境に急増して3万人を超え、それ以降3万人超となっている。自殺者の70%以上が男性であり、1998年以降、自殺者数が急増した要因も男性、特に中高年男性の自殺増加によるものであった。2003年には、年間自殺者数が3万4千人に達し、統計のある1897年以降で最大となった。自殺率も27.0と過去最大となった。なお、女性より男性のほうが自殺者数が多いのは、女性はたとえ無職でも独身であっても家族や社会の状況に組み込まれて保護されているが、男性は無職だったり独身であったりすると、社会的に孤立を余儀なくされるためと考えられる[33]。ちなみに、年間自殺者も変死を精査すると実質的年間自殺者は10万人を超えるという推測がなされている。

膨大な数の統計学的・疫学的研究は、文化(宗教・教育)と生活様式(都会暮らしか田舎暮らしか)と家族の状態(独身か既婚か)、社会的状況(失業者や囚人など)が自殺行為に重要な意味を持つことを明らかにしている[34]。自殺者数の動向については、過去にも1958年と1983年に一時的に増加する動きがあったが、1998年以降の自殺者数の増加については、過去のものとは動向が違い、経済・社会的な要因が影響している可能性があることが指摘されている。

自殺者が多い曜日は月曜日である。これはサザエさん症候群(ブルーマンデー症候群)の影響があると見られる。逆に少ない曜日は土曜日で、男女ともに同じ傾向である。また、月別では5月が一番多い。 また自殺についてのサイトも多く存在し、分野別自殺や遺言等を掲載しているサイトも存在する。ほかにも、自殺予防総合対策センターがあり、自殺者の数を減らそうと活動をしているグループもいる。 9月10日~16日は世界自殺予防デーとされている。

日本の歴史

日本においては、歴史的に自殺がひとつの文化として捉えられている。 日本の文明が始まる頃から自殺は行われていたとされており、文字が書かれた頃から文献として多数自殺の記録が存在している。日本で最も古い自殺に関する伝承は、古事記の記述によるヤマトタケルの妃弟橘比売命(オトタチバナヒメノミコト)の伝承である。切腹・心中・特攻・自爆・殉死など、自殺に准じる行為がそれぞれの時代、様々な状況で扱われている。


現代の自殺

年齢別に見ると、高齢者になればなるほど自殺者の数は増えている。高齢層は常に自殺率が高い傾向があるが、ここ20年ほど前からは中年層の自殺者も増加している。自殺の男女比で見てみると常に男性の方が圧倒的に多いが、これは世界に共通する現象である。女性より男性の方がはるかに自殺率が高いのだが、これは男性の自殺行動の方がより致死的な方法をとりやすいためである。自殺の直接動機は、その人の生きがいや価値観と多いに関係がある。ひと口にいうと、価値観を喪失したり、その恐れのある場合に、人は危機的な状況に陥るのである。自殺の直接動機は、年齢別、性別でかなりの差がある。壮年期=働き盛りの世代になると、男性 の場合は仕事上の問題が自殺の直接動機になりやすい。事業の失敗、仕事上のミス、過労、転職、失業、定年などである。特に最近ではリストラやその恐れ、勤めている会社や銀行などの倒産やその不安なども直接動機になっている。男性は仕事を生きがいにしている人が多い。それが崩れたり、その恐れがある場合には危機的な心理状態になる。 それに対して女性では、家庭的な問題がクローズアップされてくる。結婚をしないで男性並に仕事を生きがいにしている人は男性に準ずるとして、家庭の主婦は、家庭の平和に生きがいを感じている人が多く、それを乱すことが危機的な心理状態を形成する。


参考文献 フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 「死にたくなる人の深層心理」 布施豊正 「働き盛りのうつと自殺」 大原健士朗


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