アスベスト2

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目次

アスベストとは

 アスベストは石綿(いしわた、せきめん)とも呼ばれる。石綿という名前のとうり、綿もように柔らかな繊維だが、鉱物の一種で、火でくべても燃えない。アスベストという言葉は「消すことができない」、「永遠不滅の」というギリシャ語に来している。  アスベストは天然の鉱物繊維である。火山から噴き出た溶岩が、特殊な条件のもとで熱水などと作用すると、アスベストの結晶が繊維状に成長していく。アスベスト一本の繊維の太さは髪の毛の5000分の1くらいである。熱や薬品に強く磨耗に耐える。とくに、白石綿は「ピアノ線より強い」と言われるほど切れにくく、紡いで織ることもでき、安いため、一時は「奇跡の鉱物」、「天然の贈り物」と呼ばれさまざまな用途に使われた。


問題

 石綿は、丈夫で変化しにくいため、吸い込んで肺の中に入ると組織に刺さり、15~40 年の潜伏期間を経て、肺がん、悪性中皮腫( 悪性の腫瘍) などの病気を引き起こすおそれがある。

歴史

スーダンやケニアでは、石器時代に早くもアスベストを使用していた形跡があり、フィンランドでは紀元前2500年にアスベストの存在に気づいている。  歴史時代に入ってからは、エジプト、ギリシャ、ローマなどの書物などに登場するようになりました。それらによると、ギリシャ・アテネの神殿の金のランプ、ローマ・ウェスタの神殿の「永遠の火」の灯芯は、ともにアスベストでした。さらに、ナプキン、女性の髪飾り、上流階級の着衣、皇族の屍衣などにも、用いられた。  紀元77年にローマで完成した、西洋で最初の百科事典「博物誌」(プリニウス編)には「燃えにくいリンネル(麻)が発明され、『生きた』リンネルと呼ばれている。インドの暑熱の土地に生えている希少な植物が原料で、短繊維なので織りにくい。そのため、少量でも見つかれば、最高級の真珠にも劣らぬ高値を呼ぶ」などと紹介されている。同書は、中世にかけて、最も権威ある科学書として、ヨーロッパ各地で広く読まれており、人々のアスベスト観にも大きな影響を与えた。     

 アスベスト(石綿)は、20世紀に入ってから、建物などの断熱材や防火材、機械などの摩擦防止用などに大量に使用されていたが、1970年代に入ると人体や環境への有害性が問題になった。海外の産地としてはカナダ(クリソタイル)、南アフリカ(クロシドライト)が有名。日本においては、第二次世界大戦直前から各地で石綿資源の開発が始まり、北海道富良野市山部地方は、少ない国産石綿産地として、野沢鉱山など大規模なクリソタイル鉱山が操業していた。  最近になってようやくマスコミの報道により、一般人がアスベストの危険性が認知されるようになった。しかし、業界団体同士の圧力、行政の不作為、それらが対処を遅くし、莫大な被害を生み出している事も事実。

種類

 アスベスト(石綿)

A 蛇紋石族    

 a クリソタイル  (白石綿)

B 角閃石族

 b クロシドライト (青石綿)

 c アモサイト   (茶石綿)                

 d アンソフェライト(直閃石)

 e トレモライト  (透閃石)

 f アクチノライト (緑閃石) 

参考文献

緑風出版 アスベスト根絶ネットワーク著 ここが危ない!アスベスト[新装版]

アスベスト・石綿の除去・対策・処理・調査 藤和エンジニアリング株式会社 http://www.e-asbestos.jp/history.html


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