排出権取引2

出典: Jinkawiki

(版間での差分)

2009年8月8日 (土) 23:34の版

①排出権取引の形態 ・キャップ&トレード(CT)方式 各排出者に排出枠(排出量の上限)を設定し、実際の排出量が排出枠未満で収まる場合には余剰分を他者に売却することができ、排出枠を超えて排出を行うには他者から不足分を購入しなければならない。 ・ベースライン&クレジット(BC)方式 排出権削減事業を行った場合に、行わない場合と比べた削減量をクレジットとして獲得し、他者に売却することができる。ただし、クレジットを購入したいものは排出枠を超えて排出したいものであり、なんらかの排出和の設定がなければBC方式は機能しない。

京都議定書では、先進国が排出削減義務があり一定の排出枠が設定されている一方、途上国には排出削減義務がなく排出枠の設定もなされていないため、CT・BC方式による排出権取引を通じた目標達成を認めている。

②欧州排出権取引制度(EU-ETS) 2005年1月に第1期を開始し、2007年まで試行としていた。現在は京都議定書の期間でもある2008年~2012年の第2期の最中である。各国政府は欧州委員会の承認を得たうえで発電所や石油精製工場などといった各対象施設に排出権枠(EUA)を設定している。各期終了後、排出量と同量のEUAを政府に提出しなければならず、主にCT方式でEUAの取引を行うが、不遵守時には課徴金があり、1トン当たり第1期は40ユーロ、第2期は100ユーロである。日本円にすると、(130~160円/ユーロ):2460~4700円/トン。投機目的を排除しながらも商社を締め出してしまわないよう配慮している。


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