出典: Jinkawiki

2010年2月8日 (月) 02:22 の版; 最新版を表示
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目次

犬の起源

犬の起源については見解が分かれている。現在生息している全ての犬は一種類の祖先種に由来するものだとする考えが一つと、チャールズ・ダーウィンというイギリスの自然科学者が主張している、「現代の犬の品種がきわめて変化に富んでいるのは二つ以上の異なる野生の祖先種の混血に由来しているためであろう」とする考えの二つである。この論争の中で、犬の祖先種と考えられた有力なものとしては、狼(イヌ科)、キンイロジャッカル(イヌ科)、そして今では絶滅したとされる仮想的な野生犬の祖先種がある。この最後の、仮想的な野生犬に関しては、その存在を裏付ける化石すら全く見つかっていないことから、有力視はされていない。また、ごく最近になってキンイロジャッカルについてもその頭骨が犬の頭骨と違いすぎると言う理由で、犬の祖先ではないと考えられるようになった。それに比べ、犬の初期の頃の骨は、小型の狼のものと極めてよく似ており、一部の例でほぼ同一であることが知られている。犬と狼を行動の面から比較してみても、かなりはっきりした類似が見られる。犬で見られる90の行動パターンのうち、狼で見られないのは19パターンだけである。それもみな、どちらかと言えば重要でないものばかりで、おそらく狼の行動パターンにも備わっているのだが、実際には記録されなかったほどである。同じように、犬にはなく狼でだけ観察されたわずかな行動パターンも、通常では犬が遭遇しない、狩りの特別な状況で見られたものである。要するに、現代の犬は全て狼にだけ由来すると思われている。それも、南アジアの諸地域に今日でもなお生息している小型の、体つきのほっそりした狼の一種類が、おそらく犬の祖先であろうということがわかっている。このことから、狼が犬の祖先種とされる説が最もだとされる。犬の最古の化石は西ドイツの遺跡から出土した犬の顎骨で、およそ一万四千年前のものと考えられる。その顎の骨は、狼のものに比べてずっと寸詰まりで、その結果、歯と歯の間隔も狭くなっている。この2つの特徴は、初期の犬に典型的に見られるものであり、家畜化された犬が人間から与えられた餌の質と量を反映した特徴であろう。この部分から家畜として育てられた形跡があり、人間が家畜化した最初の動物は犬であることがわかった。しかもその時期は農耕が始まるよりも前であったことが明らかにされている。このことから少なくとも一万四千年前に家畜として飼われたのが最初であることがわかる。

家畜化

石器時代の人々が様々な理由から意識的に家畜化したのだと考えられる。なかでも狩猟に利用したという説がある。家畜化が行われた時代の前後は、おそらく人間と同じような獲物を狩っていた。犬のスピードや優れた追跡能力を知った人間たちが、それを自分たちの狩猟に役立たせようとして、最初は群を利用していたのが、やがて一頭ずつ飼い慣らして自分たちの狩りの成功を高めるために使ったのだと考える学者たちもいる。今日でも、南アメリカ、アフリカ、東南アジア、太平洋地域で石器時代に近い生活を送っている種族がいる。その人々も犬を狩猟に利用している。その結果狩猟の効率も上がっていることを示す確かな証拠がある。また、家畜化についてこれとは別の説があり、犬が腐肉や人間の食べ残しをあさることを知った人間たちが、次第にこの動物に対して心を開き、親しみを持つようになってきたのだというものである。旧石器時代の終わり頃は、人口も増え一箇所に定住することも多くなってきたため生ゴミや食べ残しも当然増加し、それが当時の人々にとっては深刻な衛生問題となっていた。現在でも、アジアやアフリカの多くの地域では「バリア犬」と呼ばれる野犬が都市の清掃に役立っている。

様々な飼い方

一番多いのは犬の本来の習性である、なわばりを守るという意味で吠える癖を活かし、人間の住居等を見張り、野獣や不審者の接近・侵入を防ぐ番犬として外に飼われている。広い牧場などでは、ヒツジやウシなど家畜の飼育を助ける牧羊犬や牧畜犬としてコーギーやボーダーコリーなどがいる。ほかにも体に障害のある人を助ける盲導犬や聴導犬、介助犬、身体障害者補助犬として、主にラブラドール・レトリーバーなどもいる。中には麻薬捜査、犯罪の容疑者追跡など、犯罪捜査を助ける警察犬、麻薬探知犬、爆発物探知犬、DVD探知犬としてジャーマンシェパードやドーベルマンなどがいたり、雪山や海、さまざまな被災地などで遭難者の発見・救助に利用される災害救助犬などがいる。TVのCMやドラマなどで活躍する、タレント犬やモデル犬など、携帯電話のCMでも知られるような犬もいる。また、病院、監獄等の各種施設で、患者等の心理面のケアに利用される、セラピー犬と呼ばれる犬もいる。アメリカでは「ドッグ・シェルター」や「プリズン・ドッグ・プロジェクト」と呼ばれる制度がある。これは、監獄に収容されている人が、社会復帰のため、命の大切さを知るために受刑者一人に対して、捨てられてしまった犬を一匹飼わせ自分一人で育てるという仕組みである。 er

参考文献

「ドッグ・シェルター 犬と少年たちの再出航」今西乃子著 フォア文庫 2006年

http://www.asahi-net.or.jp/~va6n-ab/inunokigen.htm


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