ロシアの教育
出典: Jinkawiki
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就学前教育施設
生後2ヶ月から就学前までの乳幼児が入り、保育・教育を行う機関。種類としては保育所、幼稚園、保育・幼稚園の3種からなる。保育所は生後2ヶ月から三歳まで、幼稚園は3歳から就学前まで(小学校入学が6歳と7歳の二つある)、保育・幼稚園は生後2ヶ月から就学前の子供を収容し、保育及び教育を行っている。なお、ソ連時代の60年代以降新設の場合保育・幼稚園の施設が原則となっていたので、都会を中心に3歳児未満も幼稚園に入れるケースが多い。また、施設が不足している場合は学校に幼稚園を付設する場合も見られる。
初等・中等普通教育
初等普通教育、基礎普通教育、中等(完全)普通教育の三段階で構成される。諸島普通教育は満6歳あるいは満7歳から入学し、4年ないし3年間(カリキュラムは3年制と4年制がある)であり基礎普通教育はその後5年間である。中等(完全)普通教育は基礎普通教育修了者が入学でき、2年制の教育を行い、国家試験合格者は大学への進学の資格を取得する。つまり、ロシアの初等・中等教育制度は4-5-2制で9年間の教育内容を履修することが義務ということになる。なお、9年制の普通教育修了者の約99%が第10学年に進級している。これらのほか、「発達に障害のある学習者のための特殊教育(矯正教育)施設」「孤児及び親の保護を受けていない子供のための施設」なんかも有る。 学校の設置携帯は、多様な設置形態が見られ、国立・公立以外に民間により設置された学校が存在する。初等・中等教育施設は公立学校が大多数であり、学校は番号で示されている(例えばモスクワ第20番学校)が一般の学校以外に「リツェイ」(理科系の英才児を収容する学校)、「ギムナジア」(文科系の英才児を収容する学校)、「特定の教科を深く学ぶ学校」(数学・物理学校や外国語学校などと略される)などと呼ばれる学校も存在する。また、私学も個人も宗教団体などにより設立され、特色ある教育を進めている。 学校の特徴として、義務教育期間に飛び級や留年もあったり、授業時間については午前の部と午後の部に分かれており、初等期間は午前の授業、基礎期間は午後2時から8時までの午後の授業、中等期間は午前の授業となっている。
職業教育施設
職業教育施設としては、初級職業教育・中級職業教育・上級職業教育・上級後職業教育の4種に分けられる。言い換えれば、中等教育段階の初等職業教育、中等後期段階から大学前期段階にわたる中等職業教育、大学段階の高等職業教育(上級職業教育は大学教育と同じに使われている)、大学院段階の教育ということになる。 初等職業教育は基礎普通教育を基礎とした(9年卒)、1~3年の職業教育施設であり、一般に「職業・技術学校」と呼ばれる、初級職業人養成のための学校である。 中級職業教育は基礎普通教育修了者を受け入れる場合と中等(完全)普通教育修了者を受け入れる場合との二種類があり、前者の場合修行年限は3~4年、後者の場合は2~3年(職種によって異なる)となっている。 高等職業教育は中等(完全)普通教育及び中級職業教育を基礎としたもので、高等教育施設で行われる。修業年限は5年または6年(医学関係)となっている。高等教育施設には「総合大学」「専門大学」の二種類があり、専門大学は各種の職業種ごとに設置されている。また、上級職業教育は大学・研究機関付設の大学院で行うことになっている。
参考
『ロシアの教育課程と教科書』諸外国の教科書に関する調査研究委員会 2005年3月
『新興ロシアの教育』山下徳治著 白石書店 1980年5月
ロシアの教育システム:http://byeryoza.com/topic/log1/edu.htm
ロシアの教育制度:http://www.rengo-hokkaido.gr.jp/russia/education.htm