障害者の権利条約
出典: Jinkawiki
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障害のあるすべての人による、すべての人権及び基本的自由の完全かつ平等な享有を促進し、保護し及び確保すること、並びに障害のある人の固有の尊厳の尊重を促進することを目的とするもので、2006年12月13日の第61回国連総会において選択議定書とともに採択された。現在の批准国は77カ国である。
一般原則
障害者権利条約は、以下を一般原則としている。
・固有の尊厳、個人の自律(自ら選択を行う自由を含む)及び人の自立の尊重
・非差別
・社会への完全かつ効果的な参加及びインクルージョン
・差異の尊重、並びに人間の多様性及び人間性の一部としての障害のある人の受容
・機会の平等
・アクセシビリティ
・男女の平等
・障害のある子どもの発達しつつある能力の尊重、及び障害のある子どもがそのアイデンティティを保持する権利の尊重
一般義務
Ⅰ)締約国は、障害を理由とするいかなる差別もなしに、すべての障害者のあらゆる人権及び基本的自由を完全に実現することを確保し、及び促進することを約束する。このため、締約国は、次のことを約束する。
1. この条約において認められる権利の実現のため、すべての適当な立法措置、行政措置その他の措置をとること。
2. 障害者に対する差別となる既存の法律、規則、慣習及び慣行を修正し、又は廃止するためのすべての適当な措置(立法を含む。)をとること。
3. すべての政策及び計画において障害者の人権の保護及び促進を考慮に入れること。
4. この条約と両立しないいかなる行為又は慣行も差し控え、かつ、公の当局及び機関がこの条約に従って行動することを確保すること。
5. 個人、団体又は民間企業による障害を理由とする差別を撤廃するためのすべての適当な措置をとること。
6. 障害者による利用可能性及び使用を促進し、並びに基準及び指針の整備に当たりユニバーサルデザインを促進するため、第二条に定めるすべての人が使用することのできる製品、サービス、設備及び施設であって、障害者に特有のニーズを満たすために可能な限り最低限の調整及び最小限の費用を要するものについての研究及び開発を約束し、又は促進すること。
7. 障害者に適した新たな技術(情報通信技術、移動補助具、装置及び支援技術を含む。)であって、妥当な費用であることを優先させたものについての研究及び開発を約束し、又は促進し、並びにその新たな技術の利用可能性及び使用を促進すること。
8. 移動補助具、装置及び支援技術(新たな技術を含む。)並びに他の形態の援助、支援サービス及び施設に関する情報であって、障害者にとって利用可能なものを提供すること。
9. この条約において認められる権利によって保障される支援及びサービスをより良く提供するため、障害者と共に行動する専門家及び職員に対する研修を促進すること。
Ⅱ)締約国は、経済的、社会的及び文化的権利に関しては、これらの権利の完全な実現を漸進的に達成するため、自国における利用可能な手段を最大限に用いることにより、また、必要な場合には国際協力の枠内で、措置をとることを約束する。ただし、この条約に定める義務であって、国際法に従って直ちに適用可能なものに影響を及ぼすものではない。
Ⅲ)締約国は、この条約を実施するための法令及び政策の作成及び実施に当たり、並びにその他の障害者に関する問題についての意思決定過程において、障害者 (障害のある児童を含む。)を代表する団体を通じ、障害者と緊密に協議し、及び障害者を積極的に関与させる。
Ⅳ)この条約のいかなる規定も、締約国の法律又は締約国について効力を有する国際法に含まれる規定であって障害者の権利の実現に一層貢献するものに影響を及ぼすものではない。この条約のいずれかの締約国において法律、条約、規則又は慣習によって認められ、又は存する人権及び基本的自由については、この条約がそれらの権利若しくは自由を認めていないこと又はその認める範囲がより狭いことを理由として、それらの権利及び自由を制限し、又は侵してはならない。
Ⅴ)この条約は、いかなる制限又は例外もなしに、連邦国家のすべての地域について適用する。
(投稿者:chi*)