インビクタス‐負けざる者たち‐
出典: Jinkawiki
概要
インビクタス‐負けざる者たち‐(Invictus)とは、2009年にアメリカで作られた映画である。監督はクリント・イーストウッド氏で、主役を演じたのはモーガン・フリーマン氏である。この映画には主に、アパルトヘイトに反対し続け1994年に南アフリカ共和国で黒人初の大統領になったネルソン・マンデラ氏の人生と、同国のラグビー代表チームの第3回W杯の様子を描いたものである。
内容
1948年の南アフリカ共和国では人種隔離政策(アパルトヘイト)が法律化され、簡単に言うと白人が黒人を差別し続けていた。黒人であるネルソン・マンデラはこのアパルトヘイトに反対し、その反対活動が原因で27年間もの間、監獄に入れられていた。しかし1994年に国際社会からの批判を受けアパルトヘイトは撤廃され、マンデラは解放された。そして同じ年の大統領選挙で、マンデラは選挙権を得た黒人からの多くの支持を得て当選。南アフリカ初の黒人大統領になった。彼は大統領になってすぐ、この国をどうやって一つにまとめるかということを考えた。差別という壁がなくなっても、人間同士の心の壁はまだ無くなっていなかったのだ。一方で国民たちは戸惑っていた。白人たちは差別から解放された黒人たちを恐れ、報復行為におびえていた。黒人たちは白人に対して敵対心をむき出しにし、今までの国家からの変化を求めていた。
ある日マンデラは自国のラグビーチームの試合を観戦しに行く。当時の代表チームは敗戦続きで、ラグビー自体の人気も低かった。その試合会場でマンデラは、黒人たちが敵チームを応援しているのを目の当たりにする。「こんな国の代表チームなんか負けてしまえ」という黒人たちの意思をくみ取ったマンデラは、ラグビーで国を一つにしようと考え、1995年にある自国開催のラグビーW杯に向け動き出す。彼は当時のチームの主将フランソワ・ピナールと直接会って自分の考えを伝え励ましたり、チーム全体に協力してもらい貧困地域の子供たちにラグビーの指導を行ったりした。その活動により地道に、しかし確実に国民たちはラグビーを知り、W杯が近づくにつれ人気が高まっていった。メンバーたちのモチベーションもそれと同時に高まっていった。
そうしてついに第3回ラグビーW杯が南アフリカで始まる。代表チームは予想に反し快進撃を続け、ついに決勝戦進出を果たす。マンデラは決勝戦の前日にチームを激励しに行き、ひとつの詩をピナールに手渡す。その詩はマンデラが27年間、監獄に閉じ込められている間ずっと自分の糧にしていたもので、タイトルは「インビクタス‐負けざる者たち‐」であった。そして翌日、全ての南アフリカ共和国民が見守る中、決勝戦がはじまる。大激闘の末、代表チームはニュージーランドを破りW杯初出場で初優勝という快挙を成し遂げた。マンデラの考え通り、ラグビーで国全体が完全にひとつになったのだった。