消費者庁
出典: Jinkawiki
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2009年9月1日、消費者行政を担当する消費者庁が発足した。これに先立つ5月29日には、消費者行政の一元化を柱とする消費者庁設置関連法が成立。従来の業界保護や縦割り行政を是正し、消費者の利益を最優先課題とする体制づくりに一歩を踏み出した。消費者庁は内閣府の外局に、監視機関である消費者委員会は内閣府内に設置された。消費者庁は地方にある消費生活センターと協力、消費者の被害拡大や再発防止などに努めている。
●消費者庁
消費者庁は消費者に関連する行政機関を統合する組織で、内閣府の外局に置かれた。たび重なる食品偽装や悪徳商法などから消費者行政の強化と縦割り行政の排除を目的としている。
●消費者庁の設置 消費者行政に関係する省庁は、農水省や厚労省のほか、製品の不当表示などを摘発する公正取引委員会、消費者金融を所管する金融庁、消費者トラブルなどを取り扱う内閣府など10省庁にまたがっていた。関連法に至っては消費者基本法、日本農林規格(JAS)法、食品衛生法、特定商取引法など、約30本に上る。消費者庁の設置で、官僚主義の是正が図れるかが注目されている。
●消費者庁と消費生活センター、消費者委員会 消費者庁は、情報掌握の先駆けとなる消費生活センターを支援し、24時間態勢で消費者相談や情報提供を受けつける都道府県の消費生活センターから報告や提案、情報を受ける。 消費者委員会は内閣府内に設置され、消費者庁の対応に意見を述べ、各省の対応が遅れている場合は、必要な対応を首相に勧告する。委員会は10名以内の有識者により構成され、当面、委員長など中心となる3名は常勤、そのほかは非常勤となった(法律施行2年以内に常勤化を検討)。
●地方協力課の設置 消費者庁は10年7月、地方の消費者行政を強力にバックアップし連携強化を図るため、これまで消費者情報課におかれていた「地方協力室」を拡充した「地方協力課」を新設した。同課ではこのほか、地方消費者行政の実態調査・分析事務、地域の消費者団体との連携・交流事務、(独)国民生活センターの組織と運営一般に関する事務を担当する。なお、荒井聡消費者行政担当相は、消費者相談などを扱う(独)国民生活センターと消費者庁の業務が重なる点について、一部統廃合を検討する方針を明らかにした。
参考文献:「Newsweek:the international newsmagazine」 TBS・ブリタニカ、宮野展良 「月刊新聞ダイジェスト」 新聞ダイジェスト社