大和絵

出典: Jinkawiki

2013年8月1日 (木) 11:42 の版; 最新版を表示
←前の版 | 次の版→

倭絵,大和絵とも書く。〈やまと絵〉は,日本絵画史のうち宗教画を除く鑑賞的絵画,すなわち風景・花鳥画,物語・人物・風俗画などのジャンルにおける最も主要な基礎概念として,平安時代以来現代に至るまで長い間用いられてきた。その意味内容はさまざまな変遷を経る中でしだいに多義にわたり,現在では,日本的な主題や画風をもった絵画を意味するかなり包括的な概念として使われている。 今日,絵画が〈やまと絵〉的と形容されるとき,一般に豊麗な色彩の調和や装飾的感覚に裏付けられ,平明で多分に情趣的な内容をもち,日本的な感性や美意識に訴えかけるような表現に満ちている場合を指すことが多い。


画派

西洋近代の所産である、「個」を重視する視点からすると、芸術において「集団」性を重視する「流派」を考えることは矛盾とも思える。古典芸能ならいざ知らず、技能の継承を骨格とする「流派」が、創作を骨格とする「芸術」と整合的であるとは思えないからである。本論では、芸術における、集団と個人の関係に着目することによって議論を進める。


狩野派

400年の歴史をもつ御用絵師の門閥である。15世紀の室町幕府の時代に始まり、織田信長・豊臣秀吉・徳川家康らの権力者に用いられ、江戸幕府によって保護された。血族や師弟関係によって維持され続けた画家集団である。

御用絵師として権威の中心であったと同時に、絵画教育のシステムを確立し、江戸時代の美術学校として機能していた。「町狩野」とよばれる、在野で活動する狩野派卒業生が、民間教育に大きな役割を果たしたようである。すなわち、のちにスタイルを変えた画家たちも、初期には狩野派に入門していた例が多い。この意味で、中世末期の狩野派と、近世の狩野派は、歴史的意義を異にするといえよう。

土佐派

室町時代から江戸時代まで続いた画派である。狩野派と異なる点は、日本の大和絵を中心としていることと、朝廷をパトロンとしていたことがあげられる。

琳派

琳派という用語は、昭和になってからの造語といわれる。狩野派や土佐派のように、血族・弟子によって継承された集団ではなく、間接的な影響関係によって結びつく点で、ここで論じる「流派」とは異なる。中心的存在は、俵屋宗達、尾形光琳である。


平安納経

(a)譬喩品、寿量品、普門品、陀羅尼品、勧発品

遠山や霞、樹木など伝統的なものや、宋の影響を受けたモチーフ。

(a‘)五百弟子品、堤婆品、妙音品

経意の絵を濃彩色で表す。

(b)序品、勧持品、分別功徳品、薬王品、巌王品、神力品

物語絵風の表現で宮廷の貴顕男女の信仰生活や出家の生活を描いたものがある。

(b‘)涌出品、観普賢経

剣などの持物を執らせることで、女房を十羅刹女に見立てている。法師功徳品では普賢菩薩影向図が表わされる。

(c)安楽行品

獅子図及び種子釈迦如来を表す。 法師品 荘厳具を表す。

(d)信解品、無量義品、分別功徳品、人記品、随喜功徳品

蓮池図を表す。


和歌と大和絵

和歌的世界と深く結びついた秋に鳴く虫の声は、大和絵にあって大画面の � 風絵においては、平安時代の現存作品 はないので推論にすぎないが、あまりにも小さなモティーフゆえ、強烈な視覚性を持った存在として画面に描くこと は困難であったかも知れない。ただし、嵯峨野など特定される場合も含めて、秋の野が描かれた時は、その景の中に 虫の声を聞き取ることが可能ではなかったのかと思われる。平安時代の大和絵が絵画として視覚性のみに依存するこ となく、和歌による文学的情趣性に関係した聴覚をも満足させるといった総合的鑑賞を要求することの良き証しとも なる。


参考URL

http://kotobank.jp/word/%E3%82%84%E3%81%BE%E3%81%A8%E7%B5%B5

http://siritai.jp/lecture/artcritic/res_artcri/res_school.html

http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1242222387


参考・引用文献


虫の声と絵画 --「大和絵」と「浮世絵」を結ぶ-- 永田雄次郎 人文論究, 51(4): 1-17


  人間科学大事典

    ---50音の分類リンク---
                  
                  
                  
                  
                  
                  
                  
                          
                  
          

  構成