イスラム教9
出典: Jinkawiki
←前の版 | 次の版→
開祖ムハンマドのアッラーを信仰とした一神教。世界で最も広範に流布した宗教の一つであり、信者数はキリスト教約21億人に次ぎ約13億人二番目に位置し増加傾向にある。北アフリカ及び東南アジア特に中東と呼ばれる地域において支配的な宗教。イスラーム教義を信じ、その儀礼を実践する人をムスリムと呼ぶ。イスラーム教の「六信」とは、アッラー、天使、啓典、預言者、来世、予定。「五行」とは礼拝(一日五回)、告白(神の唯一絶対を証言)、断食(イスラム歴9月)、喜捨(宗教税)、巡礼(一生のうちにメッカへ行く)。
コーランとハディースとシャリーア
イスラーム世界においてコーランとは暗証し声高らかに朗唱するものとされている。コーランはアラビア語で書かれ神の言葉そのものであり最後の天啓で完全なもの、且つ昔の啓示が墜落したと人間に警告し、人々に真の宗教を取り戻させる役割をしているとされている。ハディースは「伝承」と呼ばれ模範的な人間と見なされていたムハンマドの行為や説教の話を集めたもの。彼の行為は手本とされ世代を超えイスラーム共同体に流布するようになった。コーランとハディースから発生したのが「神の法」シャリーアであり、全てのムスリムが生涯を通し従うべき規範や義務を明らかにしている。家族や社会における行動規範とともに神を礼拝する際に行うべき儀礼も含む。
イスラームの生活様式
イスラーム教の祝日は金曜日であり、正午に行われる礼拝は特別なものとされる。金曜日の集団礼拝ではコーランに特に詳しい人やイマームによって宗教上の問題に限らず、貧困や犯罪といった社会問題への論評や政府に平和的解決を呼びかけが為されているため。モスクに関しては、キリスト教の教会はステンドグラスや絵画、彫像が装飾されているのに対しイスラーム教のモスクは偶像崇拝の禁止から代わりに壁や天井、ドームの内側といったあらゆる場所にコーランの章句が飾られている。その章句はカリグラフィーで書かれイスラーム文化において唯一優勢な美術である。
イスラームと現代社会
イスラームへの新たなる専心の要因の一つとして20世紀のイスラーム社会による西洋の風習を受入体制である。結果として世俗的な生活様式を採用していると批判された。変化は1960年代後半から1970年代始めにかけて起こり、一般ムスリムはイスラームの信心としきたりに対しより一層専念しイスラームの生活様式を見直し始めた。シャリーアとイスラーム社会の礎とする時が来て世俗化した西洋式の政府を終わらせ、イスラームの教えに戻ろうと多くの呼びかけから始まった。
イスラーム教〈シリーズ 世界の宗教〉1994 3 30 青土社
著者 マシュウ・S・ゴードン 訳 奥西峻介
YAHOO