ヴァイオリン

出典: Jinkawiki

2014年11月5日 (水) 10:16 の版; 最新版を表示
←前の版 | 次の版→

目次

ヴァイオリンの概要

 ヴァイオリンとは弦楽器の一つであり、弓に張られた毛を弦に擦らせることで音を鳴らす楽器である。その出自には諸説あり、16世紀の中頃に北イタリア、南ドイツまたはフランス東部のいずれかで土地で現在の形状のものが製作されたという説があるがはっきりとした出自は現在分かっていない。現存する最古のヴァイオリンとしては現在、アンドレア・アマティ作の1564年だとされている。また、ヴァイオリンの名称についてはイタリア語の「viola」という言葉に「小さい」という意味の「‐ino」を加えて、「violino(=小さいヴィオラ)」という意味で作られた名前である。

ヴァイオリンの構造

 ヴァイオリンは大きく分けて本体、ネック、外部パーツの3つに分かれる。本体部分は共鳴箱とも呼ばれ、表板、裏板、横板の3部で構成されている。現在、表板の木材には主としてスプルース(松)材、裏板と横板にはメープル(楓)材を使用している。箱内部には弦の振動を箱全体に響かせる役割を持つ魂柱(こんちゅう)を立てる他、ブロックと呼ばれる補強材を接ぎ、各板の接着効果を高めるために接着部分を添え木をして厚くする「ライニング」という作業を加え、表板の裏側にはバスバーと呼ばれる添え木を取り付けてヴァイオリンの耐久性を補強している。ネックはメープルを使用し、指板、ペグを差し入れるためのペグボックス(糸巻き箱)、渦巻きの木彫り細工部分のスクロールと呼ばれる部分で構成される。スクロールの作りは芸術性として価値が置かれており、ヴァイオリンの音質に与える影響はほとんどないと考えられている。最後に、外部パーツとは、「フィッテング」と呼ばれるヴァイオリンのセットアップ工程に使う道具で、駒、テールピース、あご当て、ペグ、弦が該当する。

ヴァイオリンと科学 「Alma」という楽器

 ヴァイオリンの音色を解析し、ストラディバリの音を科学的に再現する実験の結果生まれた楽器が「Alma」と呼ばれる楽器である。ストラディバリの音を波形としてグラフに書き出し、その波形とまったく同じになるようにすればその楽器はストラディバリの音になるという仮説の元、検証が行われていた。結果は、波形が同じでもストラディバリの音とは違う音に聞こえる、単調な音(モノトーン)だというものであった。この実験で単純に波形だけを揃えても、その音を再現することはできないことが科学的に証明された。

参考文献

ヴァイオリンの見方・選び方 基礎編 間違った買い方をしないために― .神田 侑晃 1998年 ヴァイオリンを読む本 .「音楽を読む本」編集委員会 1998年 ヴァイオリン .無量塔藏六 1975年

tiki


  人間科学大事典

    ---50音の分類リンク---
                  
                  
                  
                  
                  
                  
                  
                          
                  
          

  構成