CITOテスト3

出典: Jinkawiki

2015年7月31日 (金) 09:36 の版; 最新版を表示
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概要

オランダの政府機構であるCITOが作成し、毎年2月に実施されている全国共通学力試験。オランダの小学校卒業生がこのテストの対象者であり、オランダではほとんど全ての生徒が受験している。

CITOテストの目的

オランダでは、小学校教育を終え、中等学校に進む頃、将来の職業について考え始めることが普通であり、そのために主に3つのコースに分かれることが主流となっている。大学に進むための進学指導をするVWOといわれる大学(WO)準備コース(6年間コース)、HAVOといわれる高等職業専門学校(HBO)準備コース(5年間コース)、VMBOといわれる中等職業訓練学校(MBO)準備コース(4年間コース)である。中等学校の教育は、2、3年以内にはほぼ最終的なコースを決定することを前提としていて、日本の中学校のように全ての中学生が3年間同じカリキュラムを学ぶ、というものではない。それにより、オランダでは小学校を終えるときには、それぞれの子どもは、自分がどの程度のコースに相応しい能力を持っているのか、およその位置を自覚し、それに従って中等学校での進学クラスを決定しなければならない。そのため、小学校から中等学校への進学は、子どもを中心に、親と小学校の教師とが相談して、レベルの違うコースの中から一つを決定する、という手間暇かかるプロセスを経ることになる。このプロセスの道具として多くの小学校で使用しているのが、CITOテストといわれる全国一斉テストである。CITOテストの結果は、全国の生徒の成績と比較してその子どもがどの程度の位置にあるかを教科ごとに示してくれる。この資料を基に小学校の教師は、一人ひとりの子どもの親と面談を行い、進学するコースのアドバイスをする。コース選択にあたっては、小学校8年間の子どもの発達を観察してきた小学校の教師のアドバイスが大きな影響力を持っているが、子ども自身やその親が希望するコースがあれば彼らの意思が尊重される。しかし、子どもの中学進学を様々な保護者と懇談する立場である小学校の教師にとって、客観的な基準で測定された資料は説得力を持ち、自分の観察を裏付けるものになるため、およそ8割から9割の学校が、現在、CITOテストを受けさせている。

参考文献

『オランダの教育-多様性が一人ひとりの子供を育てる』リヒテルズ直子 平凡社


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