冤罪

出典: Jinkawiki

2015年8月2日 (日) 00:27 の版; 最新版を表示
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「冤罪」とは罪のない人間が罪を着せられ犯罪者として扱われてしまうこと

過去の事例

・足利事件

・袴田事件

・笠井事件

・鶴見事件

冤罪が起こる背景

冤罪=誤判は、捜査、起訴、公判のそれぞれの段階における関係者の判断や措置の、意識的または無意識的な誤りの集積・連鎖の結果として生ずる。

冤罪を防止するには

まず捜査段階についてみると、冤罪=誤判は捜査の歪みから生じるといって良い。その歪みとは、客観的証拠や科学的捜査を軽視し、主観的な見込みや勘に頼って捜査を進めようとする非科学的・非合理的手法と、見込みや勘の通りの成果をあげようとしておこなう糾問的な手法のことである。そうだとすると、冤罪=誤判を防ぐためには、見込みや勘に頼る糾問的な捜査を許さないことが必要である。まず第一に見込みに基づく逮捕(別件逮捕がその典型)を許してはならない。そのためには、逮捕状を出す際に裁判官は、逮捕するだけの証拠があるか、逮捕しなければならない必要があるか、違法な別件逮捕ではないかなどを慎重に判断しなければならない。現在は逮捕状が捜査官から請求されると裁判官はごく形式的しんさして機械的に発行する傾向がきわめてつよい。裁判官はこの傾向をあらためなければならない。第二に、代用監獄を廃止することである。代用監獄こそは暴力的・糾問的捜査の温床であり、冤罪=誤判の温床だからである。もっとも、廃止した場合に拘置所だけで逮捕・拘留された者の収容をまかなえるかという問題がある。収容人員の数の上だけからみると現存の拘置所でもほぼまかなえるのだが、拘置所の地域的分布状況を考えると増設が必要である。第三に被疑者の取り調べに対し法律的規制を加えて改善することである。取り調べの方法に対し、法律的規制を加えて改善することである。取り調べ継続時間を規定する。食事時間と就寝時間を保障する。被疑者の要求があれば弁護人の立会を認める。原則として取り調べ状況の録音テープ化やビデオを義務付ける。こういった規制を加える必要がある。第四に取り調べの結果として捜査官が作成する供述調書について、その作成を法律的に義務付ける必要がある。またそのコピーを被疑者に交付することも法律的に義務付けるとともに、取り調べの実態が反映するよう、そのスタイルを一問一式の速記的なものに改めることも必要である。第五に、誤鑑定を防ぐためには、鑑定は原則として複数のものに依頼するよう義務付けることが必要である。第六に捜査段階の国選弁護人を新設し、弁護活動の権利をつよく保障することが必要である。現在でも捜査段階で弁護人を依頼することはできるが、それは自分の費用で依頼する私選弁護人に限られている。したがって、資力がないなどの理由で弁護人を頼めない者は弁護人を持つことが出来ない。起訴されて公判が開始してはじめて、国が国選弁護人をつけてくれる(国選弁護人制度)しかし、捜査段階で被疑者の人権を守り冤罪を防ぐためには、被疑者に対しても国選弁護人を保障することが絶対必要である。


(参考文献)

・冤罪はこうして作られる(1993 小田中聰樹)

[1](冤罪事件紹介)

[2](アムネスティインターナショナル)


  人間科学大事典

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