グル―プワーク
出典: Jinkawiki
集団的援助技術ともいう。社会福祉援助の一種。 グループワークは19世紀後半の社会改善と個人の成長・発達を志向する、イギリスおよびアメリカのYMCAやセツルメント運動をその母体とする。
目次 |
定義
「ソーシャルワークの一方法であり、意図的なグループ経験を通じて、個人の社会的に機能する力を高め、また個人、集団、地域社会の諸問題に、より効果的に対処しうるよう、人々を援助するものである」コノプカ(Konopka,G)
過程展開
グループワークの展開過程は ①企画を立てて、グループ構成員を集めるまでの「準備期」、②集まりからグループとして動き出すまでの「開始期」、③目的の実現に向けて構成員間の相互作用を活性化し、集団としてのまとまりや働きを生み出していく「作業期」、④形成された集団の解散に向けての準備を意図的に行っていく「終結期」、に分かれる。
アメリカのグループワーク
ニューディール政策のもとで民主的なグループ経験を通じての健全な青少年の育成を第一義的な目的とする方向で発展する。そして第二次世界大戦の軍関係事業での精神科医やケースワーカーとの協働を経て治療的な分野へと活動領域を広げていった。1946年には米国グループワーク協会(AAGW)が発足し、グループワークは社会教育やレクリエーションから袂を分かち、ソーシャルワークとの一体化へと動き、1955年に設立された全米ソーシャルワーカー協会(NASW)にAAGWが参加することでソーシャルワークへの帰属が決定的になった。
理論化における代表的人物
・G.コイル 『グループワーク年鑑』(1939)の著者。グループワークを社会福祉の専門的援助技術として明確に位置づけた人物。 ・W.シュワルツ 「相互作用モデル」「媒介モデル」などを提唱し、社会と個人との相互依存性に着目した理論を展開。 ・K.レヴィン(レビン) 集団的力学(グループ・ダイナミックス)を提唱。 ・G.コノプカ 児童相談、非行少年などを対象とした実践的研究を重ね、1960年代から集団援助技術発展に貢献。今日の集団援助技術理論につながる重要概念を提唱。 ・H.トレッカー 主に青少年の社会教育や集団援助技術理論化に貢献。
参考文献
「標準社会福祉用語辞典」 「現代福祉学レキシコン」
green