脳における性差
出典: Jinkawiki
脳における性差
1964年にハーバード・ランズデールが男性と女性の脳組織には性差が存在するという発表を行うまで、脳の役割は右側では空間認知機能をつかさどり、左側では言語認知機能をつかさどるとされており、脳の役割は部分ごとに細分化されているというのが定説であった。しかし、これは男性にのみ顕著に表れるものであり、女性の脳ではこのようなことはなく、機能は広範囲に分布している。そして、男性の左脳は明らかに言語をつかさどっているが女性の場合は言語のために右脳と左脳の両方を使っているのだ。ここから、男女の脳で性差が存在することが分かる。しかし、これはあくまで差異であって決して優劣ではない。
視覚や聴覚においての性差
視覚や聴覚をはじめとする感覚は、脳をつかさどっている。脳に性差があるならば、同様に視覚や聴覚にも性差が存在してしかるべきである。そして、実際視覚や聴覚においては大きな性差が存在する。一般的に、女性は男性と比べて表情を読み取ることがうまいと言われるが、これは生まれつきの性差なのである。実は、男性の目の網膜は女性の網膜と比べるとかなり分厚い。これは主に位置、方向、速度を感知するM細胞が分布しているからである。対する女性は、主に色や表情を感知するP細胞が分布している。このことは、男の赤ちゃんは動くものに興味を持つことや女の赤ちゃんが人の顔に興味を持つことに繋がっている。一方の聴覚では、乳幼児から成長するにつれ性差が大きくなることが分かっている。女性のほうが音に(特に高周波数の音に)敏感であるのだ。例えば、教室で男の子が机をトントンと叩く音が周りの男の子にとってはさほど気にならないものだが、女の子にとっては悩ましい騒音になっていることも十分考えられる。
性差とジェンダー