スウェーデンの学校
出典: Jinkawiki
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スウェーデンでの義務教育は、基礎学校の9年間のことをいい、日本でいえば小学校と中学校にあたる。そのシステムとしては、1-3年は低学年、4-6年は中学年、7-9年は高学年と呼ばれる。9年間の基礎学校とは、7歳から15歳までの児童を対象としたものである。ただし、両親の希望により、6歳から学校教育(6歳児教育)を受けることもできる。
・基礎学校
基礎学校の教育で例えば小学校での算数の授業では、レベルの違う教科書がいくつもあり、それを個人の能力に合わせて一つずつこなしていくのが普通となっている。学習する早さも個人のスピードに合わせているために、算数に強い呑み込みの早い子どもは早く進み、教科書もレベルの高いものを使っている。計算の苦手な子どもは、時間をかけてゆっくりと勉強をしている。競争意識のない授業を可能にしているため成績表がない。スウェーデンでは一律な教育ではなく、多彩な才能や素質をもっている子ども、なかなか勉強についていくことのできない子どもたちが自由にのびのびと成長していける学校教育となっている。スウェーデンの子どもたちが初めて成績表をもらうのは中学校の2年生になってからである。この成績表が高校への進学を左右する。
誰しも7歳になったら学校へ行く権利をもつ。どんな障害があっても義務教育を受ける権利がある。普通学校に通う子どももいれば、特別学校に通う子どももいる。義務教育での障害児教育は、障害児が自分の持ちうる限りの能力を発揮しながら必要な援助を受けて学校生活を楽しみ、それを無事に終了する、というものである。
・高校
高校は義務教育ではなく自由選択である。基礎教育を受けたほとんどの生徒が高校に通い、多くの生徒が3年教育で終了している。教育内容は、基本的には3年間教育17種科目から成り、大学等の進学資格を取得できる教育等を受けるものとする。義務教育を終えて一時期社会で働いたり、留学や留年したりしても、20歳までは高校へ進学する資格をもっている。
知的障害者や身体障害者のための高校では、特別高校と称して、3年間だけではなく20歳までゆっくりとしたスピードで勉強ができるようになっている。
・大学
スウェーデンには、総合大学と専門大学、国民大学がある。大学への入学は、全国検定試験と高校の時の成績表とによって選抜される。全国にある希望学校を申請し、成績順に入学が許可される。大学での勉強は、教養科目は一切なく専門科目に直接入っていく。
どこの大学でも、身体障害者には多大なサポートが得られる。移動のために構内はバリアフリーになっている。視覚障害者や身体障害者には、大学内で専属のパーソナルアシスタントがついたり、また講義ノートの記録やコピーのサポートなども行われている。大学側は障害者が入学してくると事前にわかれば、さまざまな対処をすることとなる。
・成人学校
成人の再教育の場となっている成人学校がある。成人学校には多彩なコースがあり、義務教育を補充するコース、高校の復習コース、移民のためのスウェーデン語コースも含めた語学コース、その他にメディアなどの職業専門コースなどが昼間と夜間に分かれて設定されている。多くの人がこの学校を利用している。
基本的には、学校は小学校から大学まで全て無料であり、入学金や毎月の授業料を納める必要はない。小学校から大学を卒業するまで、学校の種類に関係なく、育児手当て(18歳を成人として認定)または、教育手当て(19歳から)が国から支払われる。また、日常生活に負担のある大学生は、国からローンを定年まで借り受けることもできる。