タックスヘイブン
出典: Jinkawiki
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タックスヘイブン
外国企業や富裕層などの高取得者の資本獲得を目的に税金を廃止、または極端に低く指定している国や地域のこと。別名「オフショア」。タックスヘイブンを行っている国はF1グランプリの開催地としても知られるモナコ公国やサンマリノ共和国、リヒテンシュタインが有名。また、アジア地域では香港、マカオ、シンガポールや中近東ではドバイ、バーレーンなど。
背景
税収政策をとらないこれらの国や地域はほとんどが小規模、自国の産業が未発展の貧困国。本来なら、運営困難とされているが税金を廃止することで外国企業や富裕層を受け入れ、経済を潤している。ヨーロッパの小国だったモナコは大富豪や資本家が移住したり別荘を持ったことで、世界有数の富裕国家に成長した。数多くの企業が税率の低い地域に移転することでタックスヘイブンの経済は成り立つ。移転した企業は現地に実態がないケース(ペーパーカンパニー)がほとんど。
主要な導入国の例
リヒテンシュタイン
人口約3万5千人弱。スイス、オーストリアに隣接。タックスヘイブンによる租税回避を目的として各国のペーパーカンパニーが集中。タックスヘイブンによる誘致した企業からの得られる収入は全体の4割ほど。
モナコ公国
人口約3万6千人。周囲をフランスに囲まれている。リゾート地として有名で、世界のセレブや大富豪が続々と移住している。法人税、所得税、住居税、相続税、不動産税などの税金が存在しない。観光やカジノによる収入が大きいとされる。
シンガポール
東南アジア。本島であるシンガポール島及び60以上の著しく小規模な島々から構成される。世界的にも商業、金融において重要な役割を果たしている。法人税と個人所得税は他の国と同様に累進課税式をとっている。ただし個人所得税は日本の役半分と低く、住民税や相続税などは非課税。
ケイマン諸島
人口約5万人。大西洋に浮かぶイギリスの海外領土。タックスヘイブンの影響で資産運用や資産移行する事業家や資産家が多い。日本からも本島に財産や資産の移行が多く、大企業でも投資するケースが多い。2011年に発覚したオリンパスの巨額損失隠しにも関係している。
問題点
タックスヘイブンはその名の通り税金のヘイブン(haven:避難所)となっている。先進国の企業や高取得者はオフショア地域に実態のないペーパーカンパニーを設立する。そして実態を持つ本国の会社の営業利益や収入を本国で税収のかからない額まで架空の取引としてペーパーカンパニーに移行する。このことで本国の税収は著しく低下し、その結果一般国民への課税が重くなることが懸念されている。また、詐欺師や犯罪組織、テロ組織もオフショア地域を利用し、不正に得た収入を資金洗浄(マネーロンダリング)することが可能になってしまう。これらの問題に対しても内政や個人情報に関わるということから調査が入りにくいのが現状。