テロリズム5
出典: Jinkawiki
テロリズム(英:terrorism)とは、政治的に対立している個人や集団に対して暗殺、組織的暴力を加え、政治上の主張を押し通して直接的な暴力やその脅威に訴える主義。テロリズムにより事件をテロ事件と呼ぶ。テロ事件を起こす暴力的革命者をテロリスト(英:terrorist)と呼ぶ。2001年9月11日、アメリカの同時多発テロにより国際的にテロリズムが広がった。宗教的な動機に基づくテロリズムが増加している。
語源
テロリズムの語源はラテン語で恐怖を意味する「terror」が語根である。恐怖が政治的に暴力による恐怖になったのは恐怖政治によるものである。
分類
組織の主義や主張、目的により二つに分類される。国家の転覆や既存する秩序の破壊することにより権力を獲得することを目的にしているのが反体制テロリズムである。支配者の権力の強化や体制への脅威を排除を目的としているのが体制テロリズムである。反体制テロリズムは4つに分類される。犯罪型テロリズム、虚 無型テロリズム、民族テロリズム、革命型テロリズムである。
犯罪型テロリズムは麻薬に関連した犯罪などに関わる利権の擁護を目的にしている。体系的な政治活動の計画を持たず、体制を転覆させるのではなく共存しようとする。実行集団が支配者側に寄生し、権力を持とうとする。コロンビアの麻薬組織やアメリカのマフィアなどがあげられる。
虚無型テロリズムは体系的に政治活動の計画を持っている。体制を破壊することが目的であるが、破壊活動自体に意義を見出す者たちにより行われる傾向があり、新体制の構築までの具体的な計画や政策を持たないニヒリストグループにより行われることが多い。イタリアの赤の旅団があげられる。
民族型テロリズムは国家からの分離独立や自治権の獲得を主張する民族主義的、分離主義的な考えをもとに観念要素や宗教的要素などの多くの要素を抱えている。宗教やイデオロギーが結びつくことにより複数の地域でテロリストが連携しやすくなり、規模が拡大する。それにより国際化することもある。アル・カイーダやイスラム国などがあげられる。
革命型テロリズムは専制政治や外国支配から解放をを目的としている。政治体制をそのものを乗っ取りる。政治情勢の不安による貧困や植民地支配からの解放を掲げている場合は左翼的で反米的になることが多い。ドイツ赤軍や日本赤軍などがあげられる。
体制型テロリズムは4つに分類される。自警団型テロリズム、秘密工作員型テロリズム、公務執行型テロリズム、大量殺りく型テロリズムである。
自警団型テロリズムは一般人による体制的暴力の一形態で、治安当局に対し信頼することができないと感じた時に自警的行動に出る場合に起こる。宗教的、人種的あつれきや文化的相違または政治的立場から発生する自警団型暴力はテロリズムに発展する可能性が最も高い。
秘密工作員型テロリズムは公に行動が不鮮明のまま行使されるテロリズムである。
公務執行型テロリズムは政府が治安のために戦術的に行使される暴力によって起こるものだある。スターリン政権やヒトラー政権などがあげられる。違法だという意識を政府側が持っていないことが多い。
大量殺りく型テロリズムは特定のグループを抹殺してしまおうという考えのもとある集団の中の個人ではなく、集団そのものを標的としている。
テロ指数
世界162か国における直接的、間接的なテロの被害を総合的に調査し指数化したものである。テロ指数が最も低いのは日本である。最も高いのがイラク、2位はアフガニスタン、3位ナイジェリア、4位パキスタン、5位シリアと中東やアフリカが多い。テロによる死者は年々増加している。2014年32,685人と前年と比べると80%増加した。増加の原因としてはイスラム国の影響が大きい。ヨーロッパなどでイスラム国によるテロが発生する回数が増えヨーロッパのテロ指数が上昇してきている。イスラム国によるテロでの死亡者数は6073人に及ぶ。
対策
アンチテロリズム(anti-terrorism=テロの防止)とカウンターテロリズム(counter-terrorism=対テロ攻撃)の二つに分けられる。
アンチテロリズムはテロリズムを未然に防ぐことを目的とし情報収集や分析、外交、経済制裁などを行う。防衛的で消極的な手段である。即効性がなく、一般の人には効果が見えにくく対策自体を把握することが難しい。
カウンターテロリズムは進行中のテロ活動に対応。または既に発生したテロのあとの対応を示したものである。一般的に攻撃的考えのもとで積極的な手段である。警察や軍事力等の力の行使が挙げられ、効果が目に見えて現れる。
国際社会による対応
国際社会がテロリズムの本格的な対策を始めたのが第1次世界大戦後の国際連盟発足してからである。1934年フランスでユーゴスラビアのアレクサンダー1世とフランス外相ルイ・バルトュが暗殺された。容疑者がイタリア国籍を有していたため身柄受け渡しを要求したが、イタリアが拒否する。国際連盟にフランスとユーゴスラビアの両国が問題の検討を依頼し、国際連盟は1937年にテロリズムを規制、処罰するためテロリズムの抑止と関する条約及び国際刑事裁判所の創設に関する条約を採択した。これをきっかけにテロリズムへの対策のための条約が制定された。