EU5
出典: Jinkawiki
概要
欧州連合(European Union)の略称。独特な経済的、政治的協力関係を持つ民主主義国家の集まり。加盟国数は当初の6ヵ国から28カ国となり、人口5億人の地域となっている。関税同盟、経済分野での共通政策、市場統合、共通通貨ユーロ導入等の面での統合が実現しており、EU加盟国はみな主権国家であるが、その主権の一部を他の機構に譲るという、世界で他に類を見ない仕組みに基づく共同体を作っている。
- EUの目的
- 1992年2月に欧州連合(EU)の創立のため定められたマーストリヒト条約内で、EUの目的について以下のように規定している。
- 域内国境のない地域の創設、及び経済通貨統合の設立を通じて経済的・社会的発展を促進すること
- 共通外交・安全保障政策の実施を通じて国際舞台での主体性を確保すること
- 欧州市民権の導入を通じ、加盟国国民の権利・利益を守ること
- 司法・内務協力を発展させること
- 共同体の蓄積された成果の維持と、これに基づく政策や協力形態を見直すこと
歴史
ヨーロッパ統一思想の萌芽
ヨーロッパの大部分の領域はかつて、ローマ帝国、東ローマ帝国、フランク王国、神聖ローマ帝国、オスマン帝国、フランス第一帝政、ナチス・ドイツといった武力を背景とした帝国のもとに統一されていたが、戦後の壊滅的な状態下で欧州統合の思想が西ヨーロッパで広まっていった。欧州統合の構想を提起した思想家には、ウィリアム・ペン、シャルル=イレネー・カステル・ド・サン=ピエール、ヴィクトル・ユーゴー、リヒャルト・クーデンホーフ=カレルギー、ジュゼッペ・マッツィーニ等の多くのヨーロッパ人が挙げられる。中でもクーデンホーフ=カレルギーは1923年に「汎・ヨーロッパ」と題する書物において平和的世界統一の第一段階としてのヨーロッパ統一を呼びかけ、第一次大戦の傷跡の残るヨーロッパに一つの希望を投げかけた。
- カレルギーの欧州統合論
- 第一段階
- 各国で構成する欧州会議の開催。軍縮、関税、通貨などで共通の利益を検討する委員会設置
- 第二段階
- 欧州仲裁裁判所の設置。加盟国間の相互安全保障条約の締結
- 第三段階
- 欧州全域で関税同盟と、通貨同盟締結。単一経済圏の創設
- 最終段階
- 欧州合衆国の誕生