パレスチナ問題10
出典: Jinkawiki
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パレスチナとイスラエル
地中海の東の端にある、四国と広島県を足したくらいの広さ(二万七千平方キロ)のパレスチナと呼ばれる土地。地図上にパレスチナの文字はなく、イスラエルという国名が書かれている。イスラエルが一九四八年に誕生するまで、この地域は大シリアの南部にあるパレスチナ地方と呼ばれていた。
パレスチナ人とは
シオニストが到来するまでパレスチナに存在したのは、多人種、多宗教の共同体。パレスチナ人という人種は存在しないといってもいいほど。三大宗教の聖地だったこともあり、多人種が混在し、混血が進んだ。人口の大半はイスラム教徒。ユダヤ人はアラビア語を話したため、パレスチナ・アラブであり、ユダヤ教徒のパレスチナ人だった。
入植地とは
十九世紀末に、ユダヤ人の人口が多いロシア帝国で大量殺戮が起こった。西ヨーロッパやアメリカに大量の移民が押し寄せた。シオニズムの呼び声に呼応してアルゼンチンやパレスチナへは、農民になることを目指して集団による入植地への移民が行われた。イスラエルという国自体が巨大な「入植地」だったと言える。
パレスチナの現状
現在ガザ地区とヨルダン川西岸地区がパレスチナ自治区とされており、世界では136カ国がパレスチナを国として認めています。しかし、日本は国として認めていない。また、アメリカや欧州諸国などの多くの主要国も認めていない。イスラエルとパレスチナによる領土争いの大きな要因の1つが、エルサレムの存在です。エルサレムは現在イスラエルの領土であり、ユダヤ教・キリスト教・イスラム教の三大聖地です。エルサレムの帰属をめぐる様々な紛争が起こった。欧州には未だにユダヤ人差別が根強くあり、長い歴史の中で行われたユダヤ人差別は、現代にも暗い影を落としている。
参考資料
パレスチナ 芝生瑞和 文春新書
パレスチナ 新版 広河隆一 岩波新書