再生可能エネルギー2

出典: Jinkawiki

2019年1月15日 (火) 15:01 の版; 最新版を表示
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再生可能エネルギー

石油・石炭などの限りある化石燃料に対して、太陽光や太陽熱、水力、風力、バイオマス、地熱などのエネルギーは、一度利用しても比較的短期間に再生が可能であり、資源が枯渇しないエネルギー。これらが、再生可能エネルギー。


太陽光発電



太陽光発電は、シリコン半導体などに光が当たると電気が発生する現象を利用し、太陽の光エネルギーを太陽電池(半導体素子)により直接電気に変換する発電方法

特徴

1.エネルギー源は太陽光 エネルギー源が太陽光であるため、基本的には設置する地域に制限がなく、導入しやすいシステムといえる。

2.用地を占有しない 屋根、壁などの未利用スペースに設置できるため、新たに用地を用意する必要がない。

3.遠隔地の電源 送電設備のない遠隔地(山岳部、農地など)の電源として活用することができる。

4.非常用電源として 災害時などには、貴重な非常用電源として使うことができる。

課題

気候条件により発電出力が左右されること。導入コスト削減。


太陽熱発電


太陽光を凸面鏡で集光し配管中を流れる油を過熱させ、その熱で水を沸騰させ、蒸気を作りタービンを回し発電するもの(刑部、2011)

注目の理由

発電に要するコストが低い。太陽光発電と違って、熱を集める太陽熱発電所は、夜でも発電できる。


風力発電


風の力で風車を回し、その回転運動を発電機に伝えて電気を起こす。

特長

1.陸上と洋上で発電が可能なエネルギー源 日本では陸上風力の設置が進んでいるが、導入可能な適地は限定的であることから、大きな導入ポテンシャルを持つ洋上風力発電も検討・計画されてる。

2.経済性を確保できる可能性のあるエネルギー源 風力発電は、大規模に発電できれば発電コストが火力並みであることから、経済性も確保できる可能性のあるエネルギー源である。

3.変換効率が良い 風車の高さやブレード(羽根)によって異なるものの、風力エネルギーは高効率で電気エネルギーに変換できる。

4.夜間も稼働 太陽光発電と異なり、風さえあれば夜間でも発電できる。

課題

世界では風力発電の発電コストは急速に低下しているが、日本の発電コストは高止まっている。また、系統制約、環境アセスメントの迅速化、地元調整等の開発段階での高い調整コストなども課題。


バイオマス発電


動植物などの生物資源(バイオマス)をエネルギー源として発電。木質バイオマス、農作物残さ、食品廃棄物など様々な資源をエネルギーに変換する。

特長

1.地球温暖化対策 光合成によりCO2を吸収して成長するバイオマス資源を燃料とした発電は「京都議定書」における取扱上、CO2を排出しないものとされている。

2.循環型社会を構築 未活用の廃棄物を燃料とするバイオマス発電は、廃棄物の再利用や減少につながり、循環型社会構築に大きく寄与する。

3.農山漁村の活性化 家畜排泄物、稲ワラ、林地残材など、国内の農産漁村に存在するバイオマス資源を利活用することにより、農産漁村の自然循環環境機能を維持増進し、その持続的発展を図ることが可能となる。

4.地域環境の改善 家畜排泄物や生ゴミなど、捨てていたものを資源として活用することで、地域環境の改善に貢献できる。

課題

資源が広い地域に分散しているため、収集・運搬・管理にコストがかかる小規模分散型の設備になりがちという課題がある。


水力発電


ダムなどの落差を活用して水を落下させ、その際のエネルギーを用いて発電。現在では農業用水路や小さな河川のわずかな落差を利用して発電できる中小規模水力発電が注目されている。

特長

1.安定供給 自然条件によらず一定量の電力を安定的に供給が可能。

2.長期稼働 一度発電所を作れば、その後数十年にわたり発電が可能。

3.低炭素 発電時に二酸化炭素を排出しないクリーンエネルギー。

課題

1.初期リスクの低減 事業の開始前に河川流況の長期にわたる調査が必要であり、開発初期におけるリスクが大きい。

2.地域理解の促進 環境への影響の理解や水利権の調整など地域住民等の理解促進が不可欠。

3.コストの低減 未開発地点は奥地かつ小規模なため、開発済み地点とくらべてコストが高い。


地熱発電


地下に蓄えられた地熱エネルギーを、蒸気や熱水などで取り出し、タービンを回して発電。

特長

1.高温蒸気・熱水の再利用 発電に使った高温の蒸気・熱水は、農業用ハウスや魚の養殖、地域の暖房などに再利用ができる。

2.持続可能な再生可能エネルギー 地下の地熱エネルギーを使うため、化石燃料のように枯渇する心配が無く、長期間にわたる供給が期待される。

3.昼夜を問わぬ安定した発電 地下に掘削した井戸の深さは1,000~3,000mで、昼夜を問わず坑井から天然の蒸気を噴出させるため、発電も連続して行われる。

課題

地熱発電所の性格上、立地地区は公園や温泉などの施設が点在する地域と重なるため、地元関係者との調整が必要なこと。地熱直接利用の開発。


太陽熱利用


太陽の熱エネルギーを太陽集熱器に集め、熱媒体を暖め給湯や冷暖房などに活用するシステム。

特長

1.エネルギー源は太陽エネルギー 当然のことながら、システムのエネルギー源は太陽エネルギー。エネルギー源そのものの導入コストは永久的に無料。

2.簡単な操作 簡単なシステムであるため、特別な知識や操作が必要なく、一般事務所だけでなく給湯利用の多い介護施設などでも手軽に導入できる。

課題

導入の歴史は古いが、他の再生可能エネルギーなどとの競合から、利用が減少。蓄熱や発電方法についての新技術の開発が求められている。



温度差利用熱



海水や河川水などが外気に対してもつ「温度差エネルギー」を、ヒートポンプを使って冷暖房に利用。

特徴

1、 身近な熱源 熱源は身近にある河川、地下水、下水などを利用。

2、 効率性 ヒートポンプで熱を効率よく利用できる。

3、都市型エネルギー 熱源とエネルギー消費地が近い都市型エネルギー

課題

イニシャルコストの低減や熱源の不安定性の改良とともに、地元地方公共団体との連携による推進体制の整備が必要。


参考文献・参考資料


刑部真弘「エネルギーと環境問題の疑問55」(成山堂書店、2018) 経済産業省資源エネルギー庁 http://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saiene/ (最終検索日;2019年1月14日)


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