宗教16
出典: Jinkawiki
←前の版 | 次の版→
概要
「神または、超越的な絶対者、あるいは、卑俗なものから分離され、禁忌された神聖なものに関する信仰、行事。また、それらの関連的体系。帰依者は、精神的な共同社会を営む。原始宗教、民族宗教、世界宗教(キリスト教、イスラム教、仏教)他、多種多様な宗教がある。」つまり、人間や自然の力を超えた存在(=神や仏など)を中心とする考え方を体系化したもので、その体系に基づいて教義、儀礼、設備などを備えた社会集団のことである。
宗教の起源 科学が発達していない、はるか昔、人間が合理的に説明できないものを何かと説明するために、宗教的な考えが生まれたと言われている。発生当初の宗教は、呪術的性格を帯びたものであったことが考古学などの成果からも明らかであり、原始宗教と呼ばれている。日本においても古くから、精霊信仰があり、すべてのものには、精霊が宿っていると考えられてきた。時に、自然は、生き物の営みを簡単に破壊する強い力を持っている。地震、台風、大雨、雷、火山の噴火などの天変地異に対し、畏怖の念を覚え、そこには人知の及ばない何かがあると考え、これらを敬うことで、この強大な力が自分を守ってくれると思うようになったことが始まりである。
宗教の発展 このような信仰は世界各地あったが、やがて社会が発達し、人々の群れが、部族→民族→国家と発展していくと、生きていく上での悩みや問題も個人的なことから部族や民族、国家の問題と大きく複雑になり、個人を超越したものが、神という形でまとめられていく。口頭で継承されていたものが、きちんとした教義として文字に記され、設備や儀式も備わっていくものが現れる。それら各地であった様々な宗教の中で、飛躍的に発達したのが、現代三大宗教と呼ばれる、「仏教」「キリスト教」「イスラム教」である。
世界の宗教の割合 世界の宗教の割合は、キリスト教が30.1%、イスラム教が22%、イスラム教が13.7%、中国の民族宗教が5.4%、仏教が5.1%、その他の宗教が8.7%、無宗教・無神論者が15%であり、世界一信者数が多い宗教は、キリスト教である。
日本の宗教 日本において、宗教は、既存宗教としての、日蓮宗、浄土真宗、曹洞宗、神道などがある。また、明治以降に設立された宗派団体として、新興宗教がある。新興宗教の中でも、1970年代以降に出来た団体は、新新宗教などと区別される場合もある。文部科学省の宗教統計調査では、昭和24年から、毎年12月31日に調査を行い、平成22年の年末には、全国社寺教会等宗教団体・教師・信者数として、総信者数1億9961万7278人という数字が出ている。日本の総人口を上回っているこの数字には、1人の人が、複数の宗教を信じている現状がうかがえる。お正月には、神社に初詣へ出かけ、葬儀は仏式、学校はキリスト教系の所へ通学し、結婚式は、教会で、そんな日本人の姿が、この数値からも見て取れるようである。
参考文献
「宗教の誕生」 編集者 月本 昭男 東京:山川出版社 2017年8月
https://sekaika.org/worldreligion/
K・O