認知症2

出典: Jinkawiki

2019年1月17日 (木) 18:30 の版; 最新版を表示
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目次

認知症とは

認知症とは「認知症は、正常であった記憶や思考などの能力が脳の病気や障害の為に低下していく障害である。認知症にはいくつかの種類がある。いちばん多いのがアルツハイマー型認知症で、脳神経が変性して脳の一部が萎縮していく過程でおきる認知症である。次いで多いのが脳梗塞や脳出血などの脳血管障害による血管性認知症。かつて日本では、血管性認知症が多かったが、このタイプは減ってきている。また、アルツハイマー型に血管性認知症が合併している患者さんも多くみられる。

若年性認知症もある 若くても、脳血管障害や若年性アルツハイマー病の為に認知症を発症することがある。65歳未満で発症した認知症を若年性認知症という。若年性認知症の患者数は、「若年性認知症の実態と対応の基盤整備に関する研究」によると、3.78万人と推計されています。

85歳以上は4人に1人が認知症に  年をとるほど、認知症になりやすくなる。65歳以上70歳未満の有病率は1.5%、85歳では27%に達する。日本における65歳以上の認知症患者はすでに240万を超えているという推計もあることから、さらに団塊世代が65歳以上になる2015年には250万人、2020年には300万人を超すと推定される。高齢社会の日本では認知症が今後ますます重要な問題になることは明らかである。

早期発見・早期治療 認知症ほどではないが、正常な「もの忘れ」よりも記憶などの能力が低下している「軽度認知障害」が最近注目されている。軽度認知障害のすべてが認知症になるわけではないが、この段階から治療を開始することで、認知症の進行を遅らせるなどの効果が期待されている。 認知症ではなさそうだと思っても、もの忘れの程度がほかの同年齢の人に比べてやや強いと感じたら、念のために専門医を受診することが早期発見・早期治療につながる。

認知症診断

今日、アメリカ精神医学会によるDSM-IVが、認知症の診断に最も用いられる診断基準となっている。 各種の認知症性疾患ごとにその定義は異なるが、共通する診断基準には以下の4項目がある。

1.多彩な認知欠損。記憶障害以外に、失語、失行、失認、遂行機能障害のうちのひとつ以上。 2.認知欠損は、その各々が社会的または職業的機能の著しい障害を引き起こし、病前の機能水準から著しく低下している。 3.認知欠損はせん妄の経過中にのみ現れるものではない。 4.痴呆症状が、原因である一般身体疾患の直接的な結果であるという証拠が必要。

認知症の種類

代表的な疾患がアルツハイマー型認知症だが、他にも脳血管性認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症など、さまざまな種類の症状がある。

アルツハイマー型認知症 認知症をきたす疾患の中で一番患者さんが多いと言われている。脳の神経細胞が減って脳が小さく委縮してしまうために、症状が現れるとされる。徐々に進行する病気で、急激に進行したりするものではない。

症状

認知症のサインまではいかなくても、少しだけ正常のもの忘れが強いと感じたら、軽度認知障害の可能性も考えられる。 軽度認知障害の特徴としては、下記の4つが挙げられる。 1.ほかの同年代の人に比べて、もの忘れの程度が強い 2.もの忘れが多いという自覚がある 3.日常生活にはそれほど大きな支障はきたしていない 4.もの忘れがなくても、認知機能の障害が1つある この場合の認知機能とは、失語・失認・失行・実行機能のことである。 失語:言葉の障害(言葉が理解できない、言おうとした言葉を言うことができない、など) 失認:対象を正しく認識できない:知り合いの顔、色、大小などを認識できない、など 失行:くわえたタバコにライターの火をつけられない、服を着ることができない、茶葉とお湯と急須を使ってお茶を入れることができない、など 実行機能の障害:計画をたててその計画通りに実行していくなどができない

同世代と比べてもの忘れの程度が強く、こうした認知機能にも障害があると感じられたら、軽度認知障害のサインかもしれない。

治療法①

認知症を完全に治す治療法はまだない。そこでできるだけ症状を軽くして、進行の速度を遅らせることが現在の治療目的となる。 治療法には薬物療法と非薬物療法があり、このうち薬物療法は、アルツハイマー病の中核症状の進行をある程度抑える効果が期待される薬が若干あるだけで、脳血管性認知症に効果がある薬剤は今のところ存在しない。そのため、非薬物療法によって症状を抑えることが主な治療法となる。特にアルツハイマー型認知症では、塩酸ドネペジルなどの抗コリンエステラーゼ阻害薬に中核症状の一時的な改善効果が認められている。この効果は一時的で、進行を完全に抑えるものではない。進行を遅らせるだけなので、できるだけ早くから治療を開始して、少しでも軽症の段階にとどめるようにすることが大切である。

治療法②

周辺症状は中核症状よりも介護者の強い苦痛になることが多く、効果的な薬をつかって症状をおさえたくなるが、かつて周辺症状に使われていた薬の中には、認知症の症状をかえって悪化させるものがあるので、薬物療法には慎重に行う必要がある。まずは薬に頼らず、患者さんを刺激しない(例:つじつまの合わない話を患者さんがしても否定したり、叱ったりしないで耳を傾ける態度をとる)、規則正しい生活をおくるようにこころがける、環境を急激に変えないようにする、などを基本とする。 また、認知能力を高めるためのリアリティ・オリエンテーション(常に問いかけを行い、場所・時間・状況・人物などの見当識を高める)、簡単な楽器演奏や運動などで刺激を与える、過去を回想するなどの療法を行う場合もある。


参考文献

佐藤眞一, 大川一郎, 谷口幸一(2010)『老いとこころのケア~老年行動科学入門~ 』ミネルヴァ書房

『みんなのメンタルヘルス 認知症』https://www.mhlw.go.jp/kokoro/know/disease_recog.html

ハンドル名 furami


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