コロナウイルス
出典: Jinkawiki
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概要
コロナウイルスには、主に通常の風邪の原因となるウイルス4種類と、動物から感染し重症化するウイルスの2種類がある。
風邪の原因となるウイルス
ヒトに日常的に感染し、風邪を引き起こすコロナウイルス(Human Coronavirus:HCoV)にはHCoV-229E、HCoV-OC43、HCoV-NL63、HCoV-HKU1の4種類がある。風邪の15%はこのコロナウイルスであり、ほとんどの子どもは6歳までに感染を経験するという。
動物から感染するウイルス
動物から感染するコロナウイルスは重症急性呼吸器症候群コロナウイルス(SARS-CoV)と中東呼吸器症候群コロナウイルス(MERS-CoV)の2種類が知られている。[1]
重症急性呼吸器症候群コロナウイルス(SARS-CoV)
SARS-CoV(以下SARS)は、2002年に中国南部広東省で非定型性肺炎の患者が報告されたことに端を発する。従来ヒトに感染しても風邪程度に留まるものと思われていたが、このSARSに感染し重症化するとARDS(急性呼吸窮迫症候群)へと進行し、最悪の場合死に至ることもある。2003年にはWHOにより終息宣言が出されている。中国南部に生息するキクガシラコウモリが宿主生物とされている。[2]
症状
潜伏期は2~10日、平均で5日と言われている。発病第一週には発熱や筋肉痛、悪寒などインフルエンザのような症状で発症し、進行すると、発病第2週で肺炎を引き起こし咳や呼吸困難が発生する。最大70%の患者が血液や粘液を含まない水様性の下痢を発症すると言われている。また、発症者の約80%は軽快するものの、中には急速に呼吸促迫と酸素飽和度の低下が進行し、ARDS(急性呼吸窮迫症候群)へ進行し死亡する例もみられる。この場合集中治療を必要とする。糖尿病等の慢性疾患を持つ人、また高齢者は重症化しやすい。
致死率
感染者の年齢、基礎疾患、感染経路、曝露したウイルスの量、国によって大きく異なるが、全体としてはおよそ9.6%と推計されている。 24歳未満では1%未満、25〜44歳で6%、45〜64歳で15%、65歳以上で50%以上となっている。男性であることも高致死率のリスク因子とされる。
予防法と治療法
患者の予防法については、患者の早期検知と即時隔離と、接触者の自宅隔離(検疫)以外には、特に有効な措置はない。一般的な風邪の予防と同様に、手洗いやうがい、マスク着用、また人混みへの外出を避けるなどがあげられる。 有効な根治療も確立されていない。肺病変が進行する場合は、酸素投与や人工呼吸器などによる集学的な治療管理が必要とされる。 現在までで、予防に有効なワクチンは存在していないため、疑わしい場合は鑑別診断を急ぐことが重要だろう。[3][4][5]
中東呼吸器症候群コロナウイルス(MERS-CoV)
MERS-CoV(以下MERS)は、2012年以降アラビア半島諸国において発生の報告がある重症呼吸器感染症である。2019年11月末までの報告によると、感染症患者数はおおよそ2500名程度とされている。中東やアフリカに生息するヒトコブラクダを宿主生物とする。[6]
症状
潜伏期間は約2~14日。おもな症状は発熱や咳、息切れ等で、吸困難を伴い、ほとんどが肺炎を引き起こす。SARS同様、下痢等の消化器症状を伴う場合もある。感染しても症状が現れない人もいるが、高齢者や糖尿病、肺疾患などの慢性疾患や免疫不全等持病のある人では重症化する傾向がある。[7]
致死率
報告された致死率は約35%とされている。[8]
予防法と治療法
ヒトコブラクダの生息する中東などへ訪れるのを控える、またラクダのミルクや肉を摂取することを控え、また手洗いなどの衛生対策をすることが大切だろう。 ワクチンや特別な治療法はなく、患者の臨床状態に基づいた支持治療を一般的に行っている。
新たに発見されたコロナウイルス
2020年12月以降、中国で新型のコロナウイルス(2019-nCoV)に関連した肺炎が発見されて以来、世界各地で報告が寄せられている。
1月29日現在では、国外では中国を始めとしてタイ、韓国、台湾、米国、ベトナム、シンガポールなど多くの国で感染者が報告されている。国内では7名の感染症患者が報告されており、内一名は既に退院している。死亡者は現時点では132名だが中国国内のみで、他国では報告されていない。 ヒトからヒトへ感染するかどうか、また潜伏期間も明らかになっていない。厚生労働省は一般的な予防対策として咳エチケットや手洗いをするよう推奨している。[9]
HN しろねこ