単一市場
出典: Jinkawiki
概要
単一市場(EU基本条約内では域内市場と呼ばれる)とは、参加国内に存在する国境のような物理的問題や税制のような財務的な障壁を取り払ったいわゆる共同市場をより進化させたものとなっている。TFEU26条2項では「商人・人・サービス・資本の自由移動が保障されている域内国境のない領域である」と定義されている。これは、本来主権国家の中で展開されている国内市場と似たようなシステムを持つ市場がEU加盟国の領域内で展開されているということになる。
国内市場との違い
似たようなシステムを持つ国内市場との違いとして、一つ目はどのような主権国家であれ一度成立した国内市場は常に安定した存在であるのに対して、単一市場はEUが定めた法の成立やEU司法裁判所の判例、EU加盟国の新たな法律が制定されることにより常に変化を余儀なくされるためにかなり不安定な存在となっている。二つ目はEU基本条約内で加盟国が公益上の理由により制約を維持することを一定の条件で許容し、さらにEU立法による調和処置が加盟国独自のより細かな国内規制を行うことができることを認めることになる可能性があることによる域内市場は加盟国法の相違による自由移動に制約がかかってしまうため、実際には国内市場とは同じ自由度にはならないことにある。