パルチザン
出典: Jinkawiki
概要
パルチザン(Partisan)とは他国からの侵略に対抗する非正規の武装勢力及びその構成員のことを指す。そのような形態の始まりとされているのがナポレオン軍がスペインの領土に侵攻してきた時に地元の住人がそれに抵抗したことであるとされている。有名なものでいえばロシア革命での日本などからのシベリア出兵に対するロシアのパルチザンや第二次世界大戦におけるナチス=ドイツの侵攻に対抗したユーゴスラヴィアのテイト―が指揮をしたパルチザンである。また、こういった戦いによく使用されたことから同じ名前を付けられた全長1.5~2mほどで、70~80cmほどの幅広大型をした三角形の穂先が特徴の槍がある。
レジスタンスとの違い
パルチザンとレジスタンスにはともに異国からの侵略に抵抗するための組織だが、パルチザンが非正規とはいえ一国の軍事組織に近い力を保有しているのに対してレジスタンスは比較的小規模な組織である。また、自国の権力者もレジスタンスの抵抗の対象となるがゆえに、一切の武力を行使することをやめ穏健主義に移行したことにより、組織が政党と化した後に合法的に統治機構の一部となったというケースも存在する。前述したことに関連するが、パルチザンの活動はある種のゲリラ活動と同じなのだがレジスタンスの活動は軍事的なものだけでなくサボタージュや言論による衝突といったような一切の武力を行使しない活動を行うことも多い。
正規軍との違い
戦争というものは無秩序なものであるように思えるが実際にはそのような状態においてもあらゆる軍事組織が厳守するべき義務を明記した国際法である戦争法規というものが存在する。これによって、戦時における外的行為の制限や捕虜・非戦闘員の保護、拷問や処刑の全面的な禁止、武器をみえるところに携帯しなければならないなどのようなある程度のルールが存在する。だが、これは正規軍にのみ適用されるものであり非正規軍であるパルチザンには適用されない為、彼らの戦場ではあらゆる隠し武器を持つことが可能であり捕虜への虐待はもちろん拷問や処刑も行われるため、まさに無秩序といえる状態である。だがこれが意味するのはパルチザンが誰に対しても非道な行為を行えるということだけでなく、正規軍からしてみれば彼らは法の適用されないがゆえに何をしてもよい存在、いうなれば「どんなに悪質な拷問を加えようがその末に殺してしまおうが何の問題もない存在」という認識をされているということである。
参考・引用文献 現代社会用語集 入江公康 2018年2月25日 新評論