オランダのドラッグ政策3
出典: Jinkawiki
一般にオランダ人は、ソフト・ドラッグとハード・ドラッグを区別し、ソフト・ドラッグに対してはかなり寛容である。ハード・ドラッグとは、いわゆる阿片やヘロイン、コカインなどの習慣性を持つ麻薬を指し、これは世界的密輸組織との繋がりがあり、犯罪の大きな原因となっている。
ソフト・ドラッグとは、マリファナやハシーシュなどの習慣性を持たないものを指し、個人の使用に限って認められている。これらのドラッグはオランダでは酒やタバコといった嗜好品と同様のものと考えられている。しかも、どちらかといえばドラッグよりも喫煙の方が公害とされている。
また、オランダのコーヒーショップに行けば、これらのソフト・ドラッグは誰でも簡単に手に入れられ、吸うことも自由である。しかし、こういったコーヒーショップが、他のヨーロッパ諸国では禁止されているソフト・ドラッグの世界的な取引の拠点となりつつあるため、警察は取り締まりを強化している。
ハード・ドラッグに関しては一般の目も厳しく、大規模な国際協力体制のもとに港湾や空港での水際作戦を展開し、それなりの成果を挙げるようになってきているが、これにより取り締まられるハード・ドラッグは、まだまだ氷山の一角でしかない。
参考:『読んで旅する世界の歴史と文化 オランダ・ベルギー』栗原福也/新潮社(1995)